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君島良夫、30歳で異例の海外挑戦
大企業の安定を捨て、新たな道に

チームの「顔」に突然の戦力外通告

キックの名手として活躍してきた君島が、オーストラリアに渡る
キックの名手として活躍してきた君島が、オーストラリアに渡る【写真:北村大樹/アフロスポーツ】

 もちろん、大声だって出すし、体も張る。試合後には着ていたジャージが芝と泥にまみれている。それでも、君島良夫はどこか余裕を感じさせるプレーヤーだ。試合中に殺気立った大男たちの中で、時にはいたずらっぽい笑顔を見せ、オシャレなプレーを決めてみせる。

 正確なキックと、的確なゲームコントロールが高く評価される君島は、トップリーグのNTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)に所属し、一昨季に140得点でリーグ3位、昨季は99得点でリーグ7位。2010年からトップリーグに参加した新興チームの「顔」となっていた。

 その君島が、突然の戦力外通告を受けたのは今春のことだった。

他チームはすでに編成を終了

「7年、NTTコムでやってきて、昨季も試合に出ていたので正直、完全に安心していました。退部者を送り出す会の幹事もやる予定だったので(笑)」

 穏やかな表情で君島はそう振り返る。フロントに理由を聞いたが、納得できる説明はなかった。30歳になったが、体力の衰えは感じておらず、むしろ経験を重ねて良いプレーができる手応えがあった。


「昨季はケガもあって納得がいかない部分はありましたが、伸びている部分もある。ここで終わるのは違う、と。それならラグビーを続けようと思って、その日の夜には新しいチームを探して、いろいろな方々に連絡させていただきました」


 ただ、トップリーグでは退部者の発表時期にバラつきがあり、NTTコムの発表時にはすでに多くのチームが編成を終えていた。君島を評価していても、社員として受け入れるには時期的に遅く、プロとして雇うには適正な金額を用意できない……という状況だった。

エディーHCも在籍した強豪クラブへ

 そこで、君島は外国に目を向ける。

「日本では選手としての評価以外の部分が大きかったので、どうせなら外国の大きなところでやろうと思いました。その時に元チームメイトのティム・レネヴェがオーストラリアで代理人をしているので相談してみると、彼の古巣であるランドウィックに話してやる、と。そこからティムが一気に話を進めてくれました」


 ランドウィックは1882年に設立されたオーストラリアの強豪で、日本代表のエディー・ジョーンズHCの出身クラブでもある。君島は今季から、日本のトップリーグよりもレベルが高いと言われる、厳しい環境に身を置くことになる。

「大変ですけど、『好きなことをしに行く』ということです。ラグビーと同様に英語のスキルも上げたいですし、自分にプラスになることばかりだと思っています。英語には不安もありますけど、意思を伝えられないとSOは成り立たないので、前向きにいきたいですね」

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