【蹴拳】ベテラン藤原あらし「夢を諦めるなよ!」=19歳のルンピニーランカーに勝利

長谷川亮

35歳のベテランが19歳の格上に大奮闘

35歳のベテラン藤原あらしは左ローを軸に、19歳のルンピニーランカーであるゴンプートーン・ノーノップヒランから判定勝利を挙げた 【t.SAKUMA】

「蹴拳18」が18日に東京・ディファ有明で開催され、トリプルメインイベント第3試合で日本キック界軽量級の実力者・藤原あらし(バンゲリングベイ・スピリット)がタイの殿堂ルンピニースタジアムのランキング入りを懸け、ゴンプートーン・ノーノップヒラン(タイ/ルンピニー・スーパーフライ級9位)と対戦した。

 現在35歳のあらしに対し、ゴンプートーンは少年の面立ちを残す19歳。しかし、戦績は87戦63勝22敗2分とあらし(57戦36勝24KO12敗9分)を上回り、身長でも4センチ優位に立つ(あらし164センチ、ゴンプートーン168センチ)。

 試合が始まると、ゴンプートーンが自身と同じ同じサウスポーのため、いつものように左ミドル中心の攻めとはしないあらしだが、代わりに左ローを多用し、1Rからゴンプートーンの右足にダメージを与える。

 初回からあらしの左ローを嫌がる素振りを見せたゴンプートーンだが、左ロー狙いで間合いが詰まったところへヒジ打ちを振るい、さらに組みから、あらいは蹴り足を取ってのコカしと、接近戦では上手のところを見せ、度々あらしをマットに転倒させる。

 しかし、あらしは幾度マットに転がされても左ローで反撃し、3Rにはハイキックもヒット。4Rにも度々ゴンプートーンに組みから投げで転倒させられたが、後半は左ローで盛り返す。

 優勢と判断したゴンプートーンは最終5Rは流しに入ったが、あらしは攻め手を緩めず、左ローを見舞っていき終了。判定のコールを待つ間も腕立て伏せを行って自身の勝利と余力をアピールし、判定は50−47、48−48、49−48の2−0であらし。

 これで「キックボクサー人生の夢の一つ」というルンピニーでのランキング入りを確実とする勝利を喜ぶとともに、「30代のキックボクサー、俺(12月で)36で子持ちだけど、夢を諦めるなよ! 頑張ろうよ!」と同世代の選手たちへメッセージを送り、子どもたちから贈られた手製のメダルを胸に光らせた。

勝利を喜ぶ藤原あらし。「30代のキックボクサー、俺(12月で)36で子持ちだけど、夢を諦めるなよ! 頑張ろうよ!」と同世代の選手たちへメッセージを送った 【t.SAKUMA】

 そのほか、大会の試合結果は以下の通り。

■「蹴拳18」
5月18日(日)東京・ディファ有明

<トリプルメインイベント3(第18試合)ルンピニースタジアム認定スーパーフライ級ランキング戦 3分5R>
○藤原あらし(バンゲリングベイ・スピリット/元WPMF世界スーパーバンタム級王者、元WBCムエタイ日本バンタム級王者)
(判定2−0)
●ゴンプートーン・ノーノップヒラン(タイ/ルンピニースタジアム認定スーパーフライ級9位)
※50−47、48−48、49−48

<トリプルメインイベント2(第17試合)58kg契約 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○小山泰明(建武館/J−NETWORKフェザー級王者)
(2R0分43秒 TKO)
●長嶋大樹(ONE'S GOAL/WPMF日本フェザー級王者)
※ドクターストップ

<トリプルメインイベント1(第16試合)70kg契約 インプレッションルール 3分3R延長1R>
○TOMOYUKI(センチャイムエタイジム/NJKFスーパーウェルター級王者、チャクリキミドル級王者、WBC ASIA国際式ボクシング・スーパーウェルター級王者)
(延長判定3−0)
●クンタップ・パラエストラジム(パラエストラ千/WMAF世界スーパーウェルター級王者、M−1スーパーウェルター級王者、元WMC世界ウェルター級王者)
※三者10−9

<セミファイナル(第15試合)ライト級 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○コンゲンチャイ・エスジム(エスジム/元ルンピニースタジアム認定ライト級3位)
(判定2−0)
●龍橋祐秦(Y'ZDジム/UKFイーストアジアライト級王者、WPMF日本ライト級3位)
※29−29、30−29、30−29

<第14試合 79kg契約 インプレッションルール 3分3R>
○工藤勇樹(エスジム/WPMFライトヘビー級2位)
(2R0分56秒 KO)
●AKIRA jr(若獅子会館)

<第13試合 蹴拳初代バンタム級チャンピオントーナメント一回戦 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○Mr.ハガ(ONE'S GOAL/元NJKFバンタム級1位)
(判定2−0)
●勝也(JTクラブジム/2013年WPMF日本バンタム級新人王、WPMF日本バンタム級9位)
※※29−29、29−28、29−28

<第12試合 54kg契約 インプレッションルール 2分3R>
○陣内まどか(エスジム/J−GIRLSバンタム級王者)
(判定3−0)
●高橋美優美(岡澤道場)
※三者30−27

<第11試合 スーパーフェザー級 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○津橋雅祥(エスジム/WPMF日本スーパーフェザー級5位)
(延長判定3−0)
●新垣竣太(Top Fighter)
※三者10−9

<第10試合 スーパーライト級 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○夢・センチャイジム(センチャイムエタイジム/NJKF 6位)
(判定3−0)
●川又恭兵(大成塾)
※30−28、30−27、30−28

<第9試合 78kg契約 ムエタイルール・ヒジ無し 3分3R延長1R>
○巻淵 淳(フリー)
(判定2−0)
●細井“ジャックダニエル”光世(宝塾)
※30−30、29−28、30−28

<第8試合 ウェルター級 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○セイサック・エスジム(エスジム)
(1R2分16秒 TKO)
●秀雄(平井ジム)
※レフェリーストップ

<第7試合 55kg契約 インプレッションルール 3分3R>
○ペップチューン・ロンポージム(ロンポージム)
(2R1分32秒 TKO)
●吉野幸喜(湘南格闘クラブ)

<第6試合 スーパーライト級 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○安東雅喬(湘南格闘クラブ)
(2R2分37秒 TKO)
●和真(早川ジム/MA日本スーパーライト級8位)
※レフェリーストップ

<第5試合 スーパーライト級 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○小森玲哉(ONE'S GOAL/WPMF日本スーパーフライ級10位)
(延長判定3−0)
●土橋朋也(新宿レフティージム/WPMFスーパーフライ級8位、2011年度WPMFスーパーフライ級新人王)
※三者10−9

<第4試合 68kg契約 ムエタイルール 3分3R延長1R>
△鷹人(平井ジム)
(判定ドロー)
△助川秀之(TURNING POINT)
※30−29(助川)、29−29、29−29

<第3試合 スーパーライト級 インプレッションルール 3分3R>
○大地(蹴空ジム)
(1R2分14秒 TKO)
●モロゾフ・アライ(岡澤道場)
※レフェリーストップ

<第2試合 フェザー級 ムエタイルール・ヒジなし 3分3R>
○小丸剛史(エスジム)
(判定3−0)
●平田ハム太郎(BELIEF)
※三者30−27

<第1試合 蹴拳初代バンタム級チャンピオントーナメント一回戦 ムエタイルール 3分3R延長1R>
○林敬明(TSKjapan/J−NETWORKバンタム級3位、WPMF日本バンタム級7位、TRIBELATEスーパーバンタム級王者)
(1R2分06秒 KO)
●清水克彦(DANGER/Innovationバンタム級3位)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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