ザックが選ぶ23選手はいったい誰か 識者が言及するサプライズ選出の可能性
12日に本大会に臨む日本代表の最終メンバー23名が発表される。いったいどの選手がブラジルの地を踏むのか 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
今回スポーツナビでは、日ごろから日本代表を取材している4人の識者にご登場いただき、アルベルト・ザッケローニ監督が選ぶであろう23名の選手を予想してもらった。4人ともに共通するのは「サプライズ選出の可能性はある」と踏んでいること。過去4大会のメンバー発表ではいずれも意外な人選が行われている。慎重派として知られる指揮官はいかなる決断を下すのだろうか。
なお、せん越ながら編集部のサッカー担当もこの予想に加えさせてもらった。
宇都宮徹壱(写真家・ノンフィクションライター)
おそらくザックはドリブラータイプの切り札を確保するのではないか 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
周知のとおり、良くも悪くもメンバー固定の傾向が強いザッケローニ監督。背番号もまたしかりである。ゆえに背番号とセットで考えると、おのずと「サプライズ枠」が見えてくる。とりあえず20名はスラスラ出てくるが(負傷明けの内田篤人、吉田麻也、長谷部誠もおそらく選ばれるだろう)、14番、19番、20番が見えてこない。これまでの傾向から考えて、おそらく14番はMF、19番はDF、20番はFWだろう。つまりGKを除く3つのポジションに、それぞれ1枠ずつサプライズの可能性があると考える。
まず20番は齋藤学と予想。高さのある選手の起用も考えられるが、おそらくザックはドリブラータイプの切り札を確保するのではないか。では14番と19番はどうか。これまでの流れでいけば高橋秀人と伊野波雅彦となる。高橋はボランチ、伊野波はディフェンスラインのバックアッパーとしてベンチ入りしてきたが、どちらもプレー時間が少ないのが気になるところ。そうして考えると、4月の国内合宿で招集されたメンバーにもチャンスありと見る。ここは将来性と意外性を期待して、14番を柴崎岳、19番を塩谷司と予想する。
【宇都宮氏が選んだ23名】
※()内は背番号
GK:
川島永嗣(1)
西川周作(12)
権田修一(23)
DF:
内田篤人(2)
酒井高徳(3)
長友佑都(5)
森重真人(6)
今野泰幸(15)
塩谷司(19)
酒井宏樹(21)
吉田麻也(22)
MF:
遠藤保仁(7)
清武弘嗣(8)
細貝萌(13)
柴崎岳(14)
山口蛍(16)
長谷部誠(17)
FW:
本田圭佑(4)
岡崎慎司(9)
香川真司(10)
柿谷曜一朗(11)
大迫勇也(18)
齋藤学(20)
元川悦子(サッカーライター)
状態が著しく悪い清武をあえて外し、本田の代役をこなせる中村を抜てき 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】
ザッケローニ監督は軸となるメンバーに絶大な信頼を寄せる指揮官。これまでの流れを踏まえると、GK3人とセンターバック(CB)枠の吉田、今野、森重、サイドバック(SB)の4人、ボランチの遠藤、長谷部、山口蛍、2列目の本田、香川、岡崎、FWの柿谷と大迫の18人はほぼ決まりだと思われる。
残り5枠は(1)第4のDF、(2)第4のボランチ、(3)2列目のバックアップ、(4)攻撃のジョーカー……という視点で選ぶ必要がある。
(1)は伊野波が担ってきたが、最近の動きや世界基準の相手への対応力を考えると選びにくい。そこで浮上するのが、2012年ロンドン五輪で6試合を戦い抜いた経験があり、DFの右と真ん中をこなせる鈴木大輔。彼なら吉田の代役も可能だ。守備力の高い細貝をDF枠に下げることも考えたが、やはり本職がもう1人いないと世界で戦うのは厳しいだろう。
(2)は細貝、青山、高橋の選択肢があったが、遠藤のバックアップを中村憲剛がこなせると判断して、守備力のある細貝を選んだ。彼の国際経験は大きな武器になるはずだ。
(3)については清武の状態が著しく悪いためあえて外し、本田の代役をこなせる中村憲剛をまずは抜てきした。大久保は2列目の左右、前線もOKだし、ジョーカーにもなりうる。遠藤や柿谷も2列目でプレーできる。そう考えると、齋藤や工藤、南野を入れる必要もなくなる。南野は将来を見据えて入れたかったが、最近の動きを見ると難しそうだ。
最後のジョーカーだが、1人は大久保嘉人、もう1人は長身の豊田陽平を推したい。リスタートの攻撃が強いギリシャ戦では豊田の高さは必ず必要になる。彼はリストに入れるべきだ。
GK:
川島永嗣
西川周作
権田修一
DF:
(センターバック)
吉田麻也
今野泰幸
森重真人
鈴木大輔
(サイドバック)
長友佑都
内田篤人
酒井高徳
酒井宏樹
MF:
(ボランチ)
遠藤保仁
長谷部誠
山口蛍
細貝萌
(2列目)
本田圭佑
香川真司
岡崎慎司
中村憲剛
大久保嘉人
FW:
柿谷曜一朗
大迫勇也
豊田陽平