あるぞ“ショウナン”ワンツーの可能性=NHKマイルC直前 国枝調教師インタビュー
競走馬の1番重要な資質を備えている
「普段はペットみたい。庭で飼いたいくらいに可愛いよ」と語る国枝調教師 【netkeiba.com】
「ゲートの中が悪いというわけではないんですよね。スタートした後にスッと前に出られないという感じです。それにムキになって走って行く馬でもないですから、少し遅れ気味になるのでしょうね。まあタイミングが合えば、普通の位置は取れると思いますよ」(国枝師)
師の言葉を聞く限り、出遅れに関してはさほど神経質になっていないようだ。むしろ、出遅れてもしっかりと脚を伸ばして勝った前走が、この馬に対する師の自信となっているように感じられた。
そんなショウナンアチーヴも、デビュー前の調教ではさほど動かなかったという。
「お母さんが阪神JF勝ちのショウナンパントルですし、血統的にも楽しみがありました。GIに出走できるほど出世するかはわかりませんでしたが、良いスピードを持っていると思っていましたよ。ただ最初はあまり調教では動かなかったですね。まあ最初から馬がヤル気で抑えきれないような手応えだと、出走するたびに走らなくなっていくケースがあるのですが、この馬の場合はレースを経験するたびに競馬を覚えて、終いの脚をしっかりと使えるようになりましたから」(国枝師)
1戦ごとに新しいことを吸収し、心身ともに成長した結果が、今のショウナンアチーヴへと繋がっているのだ。
国枝師に改めて、ショウナンアチーヴの長所を聞いた。
「大人しくて、まるでペットみたいですよ(笑)。庭で飼いたいくらいに可愛いよ(笑)。無駄なこともしないので、余計なところに気を遣わなくて良いですから。それでいて馬場に出ると走る気を出しますし、オンとオフをわきまえています。これは重要ですよね」
普段は無駄な力を使わずに、走る時にしっかりと能力を出す。競走馬にとって、1番重要とも思える資質を備えているようだ。
「ワダチもいい馬。ワンツーの可能性あるよ」
前哨戦NZTでは同じ馬主のショウナンワダチとワンツー決着、本番でも再現が見られるか 【netkeiba.com】
「それはオーナーの究極の夢ですよね。前走でも、自分の種馬と自分の繁殖で、しかもハナの1、2着というのは、オーナーにとって無上の喜びなのではないでしょうか。他の馬主さんにも、夢を与える出来事のように思いますしね。ショウナンワダチもしっかりして良い馬ですから、今回もワンツーの可能性はあると思いますよ」
ニュージーランドT後も順調に調整がなされ、5月7日の最終追い切りには戸崎騎手が騎乗して、ウッドチップコースで終いの反応を見る形の併せ馬を消化し、余裕のある動きを見せた。2歳王者の座を逃した昨年の鬱憤を晴らす態勢は整った。