石川遼がこどもの日にジュニアを指導=20年東京五輪では「自分が壁になる」

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自身がプレーを見せながら解説する石川流

ジュニアレッスンで子どもたちに指導した石川遼。「後輩に道筋を与えたい」と熱い想いを明かした(写真は「中日クラウンズ」から) 【写真は共同】

 5月5日(月)のこどもの日、前日まで愛知県で国内男子ツアーの「中日クラウンズ」を戦った石川遼は、千葉県内の成田空港近くのゴルフ場にいた。日曜夜は埼玉県内の自宅には戻らず成田近辺に宿泊し、米国へと旅発つ夕方までの貴重な時間を、毎年恒例になっている「ハウス食品 石川遼ジュニアゴルフクリニック」で、子供たちとの時間に割いた。

 このクリニックには8〜12歳の15人の小学生ゴルファーが参加。マイクをつけた石川がアプローチ、ドライバー、フェアウェイウッド、パターとコース上で自身が解説をしながら、プレーを見せて教えていく。「初めて会った子にワンポイントアドバイスを与えるよりも、実はプロゴルファーってこんなことを考えているんだよって彼らが知らないことを教えてあげたり、実際に球を打って印象を与えてあげたりすることの方がジュニアにとっては大事だと思う」というのが石川流だ。

スムーズなプレーをするための心掛けを説く

「自分も昔、宮里藍ちゃんやジャンボさんを見て衝撃を受けたので」と、細かい技術指導はほとんどない。自ら取り組んだ練習方法を具体的に教えたり、球筋をイメージすることの大切さを説いたり、座って憧れの視線を向ける子供たちの間近で渾身のドライバーショットを披露したり。中でも印象的だったのは、スムーズなプレーをするための心掛けを説いていたことだった。

 たとえばドライバーショットでは、「まずティグラウンドに立って自分がオナーだったら、すぐに打つ準備をすること。次に打つ人は、いつでも打てる準備をしておくようにすること」。また、パッティングに関しては、「グリーンに上がる前から傾斜を確認しておくと、自分の番になったときに慌てなくて済む」といった具合。

 ラウンドレッスン後は、子供たちと一緒にカレーを食べ、質問コーナーではジュニアのさまざまな疑問にも丁寧に受け答えた。「すごく細かな場面の質問もあったし、明確な目標を持ってやっている人が増えているのかなと思った」という。

「後輩に道筋を与えていかないといけない」

 こうして触れ合いの機会を持つのには石川なりの狙いもある。「2020年の東京オリンピックが1つの節目になる。今、10歳とか15歳の子が出てくる可能性もあるので、その時に自分が大きな壁になれればいい」と、金メダルを意識した代表争いを期待している。

 終始笑顔で過ごした1日。イベント終了後は小さな声で「疲れたぁ」と本音も漏らしたが、ジュニアのため、日本ツアーのための歩みは止めない。
「今日接したジュニアたちを見ている限り、日本でずっとやっていきたいという子よりも、海外ツアーでやっていきたいという子が多いように思えた。僕たちがそうさせていただいたように、僕らも後輩に道筋を与えていかないといけないと思う」
 子供たちの笑顔に見送られ、石川は再び主戦場の米国へと旅立った。

(文・今岡涼太)
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