最強王者メイウェザーの終わりの始まり!?=精彩を欠いたマイダナ戦は“衰え”なのか
「ファンが喜ぶ試合だった」接戦は判定2−0
マイダナのアグレッシブかつラフなファイトに手を焼いたが、クリーンヒットで上回ったメイウェザー。判定2−0でデビューからの無敗を守った 【Getty Images】
5月3日にラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行なわれたWBC、WBA世界ウェルター級王座統一戦で、WBC王者のメイウェザーがWBA王者マイダナに判定勝利で王座を統一。しかし、メイウェザーはマイダナのアグレッシブな前進とラフファイトに手を焼き、判定は2−0(117−111、116−112、114−114)という微妙なものだった。
「厳しいファイトだったけど、ファンが喜ぶ試合だったと思う。普段の僕は動いてアウトボクシングするけど、今夜はファンにエキサイティングな試合を供給したかったんだ」
1万6268人の大観衆を湧かせた試合後、メイウェザーはリング上で激闘をそう振り返っている。
有効打の差で上回るも影を潜めたスピード
ただ……例えそうだったとしても、この日のメイウェザーが普段よりも精彩を欠いたことは否定できない。過去にもホセ・ルイス・カスティーヨ、ミゲール・コットといった選手たちが絶えずプレッシャーを欠けるスタイルでメイウェザーを苦戦させたが、マイダナにはその2人のような技術的下地はない。それゆえに試合前にはメイウェザーの圧勝を予想する声が圧倒的で、筆者もそのうちの1人だった。
しかし、この日のメイウェザーは、本来の圧倒的なまでのスピードが影を潜めたまま。何より、ステップワークが以前ほどスムーズではなく、おかげでコーナー、ロープ際に長時間押し付けられる羽目になった。前記通り、メイウェザーは接近戦に応じたのは「ファンを喜ばせるため」だったと盛んに主張したが、信じるものはいまい。
「試合当日のウェイトは俺は148パウンドで、マイダナは165パウンドもあった」「俺はボクサーだけど、(ラフな)マイダナはWWEレスラーのようだった」「(第4ラウンドの右目上の)カットはバッティングによるもので、直後の2ラウンドはよく見えなかった」
試合後の会見でのこれらの言葉も、少々言い訳がましく聴こえてならなかった。