KENTA、5.17最終戦は丸藤とタッグ=ヨネが永田のGHC獲りに向け中嶋に快勝

高木裕美

ノアを退団するKENTAは5.17のラストマッチでライバルである丸藤にコンビ結成のラブコール 【t.SAKUMA】

  4月30日にノア退団を発表したKENTAが3日、東京・ディファ有明で行われたノア 「ONE DAY CRUISE 2014」にフリーで出場し、丸藤正道、シェイン・ヘイストと3WAYマッチで対戦。ヘイストをGAME OVERで葬り去ると、5月17日・後楽園大会で丸藤にタッグ結成を持ち掛け、“丸KEN”タッグが復活することになった。

 退団発表後、一発目の試合ということでKENTAの動向が注目された。「KENTA」コールの大声援が飛ぶ中、丸藤とはいつも通りのエグいエルボー合戦、ヘイストにも豪快な蹴り技で対抗。終盤にヘイストがボムバレーデスで丸藤の動きを止めると、KENTAとヘイストが豪快な張り手合戦。フルスイングの張り手でKENTAにダメージを与えたヘイストがボムバレーデスを決めるも、KENTAが下から三角絞め。そしてGAME OVERに移行しタップを奪った。

「丸さん、隣に立ってくれないか」とラブコール

フリーとしてノア参戦となったKENTAだが、遠慮なく丸藤にエルボーやキックを蹴りこんでいった 【t.SAKUMA】

 試合後、まずはKENTAと、2013年9月のGHCヘビー級王座戦で30分以上にわたる激戦を繰り広げたこともあるヘイストが握手からのハグ。そしてリング上の赤コーナー、青コーナーと対角線にKENTAと丸藤の2人が残ると、KENTAが「丸さん、最後のお願いだから後楽園ホール、隣に立ってくれないか」とラブコール。丸藤は「久々にオレのことさん付けしたな(笑)。喜んで」とその要求を快諾し、右手でがっちりと握手した。
 
 かつて初代GHCジュニアヘビー級王座を9度防衛した丸藤との久々のタッグ結成に、KENTAは「ここまでお互いガンガンずっとやり合ってきて、最後横に並んでいる絵を想像したときに実現したらいいなと思った」とその心情を吐露。当初はKENTA&杉浦貴vs.丸藤&中嶋勝彦が発表されていたカードだが、KENTA&丸藤vs.杉浦&中嶋に変更される予定。KENTAは「どの選手も自分の振り返る中では欠かせない存在ばかりなので、最後思い切りやり合えればいい」と5月17日の後楽園大会へ意気込むと、「すべてに対して感謝の気持ちでやりたい」と14年間在籍したノアでのラストマッチへ想いを馳せた。

ヨネ、GHC戦へ「負ければ打ち首の覚悟」

ヨネは中嶋に快勝し、永田の持つGHCヘビー級タイトルマッチへ弾みをつけた 【t.SAKUMA】

 ノア 「ONE DAY CRUISE 2014」メインイベントでは、17日の後楽園ホール大会で新日本プロレス・永田裕志のGHCヘビー級王座に挑戦するモハメド ヨネが、同じBRAVEの中嶋勝彦に快勝。悲願のGHC王座初戴冠に弾みをつけた。

 両者は4.26札幌での「グローバル・タッグリーグ戦」公式戦で対戦し、中嶋がハイキックでヨネをKO。今回の一騎打ちで勝利すれば、挑戦権強奪を示唆していた。ヨネは花道で奇襲攻撃を受けながらも、レッグドロップやローリングサンダーなどでペースをつかむと、クォーラルボンバーからのキン肉バスターで勝利。背水の陣で臨んだ一戦を制したヨネは「負ければ打ち首ぐらいの覚悟でいく」と、永田戦に勝利して男になると誓った。

タッグ前哨戦は杉浦が森嶋を秒殺し「手応えがない」

タッグ王座前哨戦で森嶋とシングルで対戦した杉浦はあっさりと秒殺勝利し、「手応えがない」とばっさり 【t.SAKUMA】

 森嶋猛vs.杉浦貴、マイバッハ谷口vs.田中将斗によるGHCタッグ選手権試合の前哨戦では、超危暴軍が挑戦者組に2連敗。今年の「グローバル・タッグリーグ戦」を制した弾丸ヤンキースが勢いを見せ付けた。

 森嶋はセコンドをあえて帰らせ、1対1の勝負に臨むも、バックドロップからフォールに行かなかった余裕がアダとなり、杉浦のフロントネックロックに絞め落とされ、秒殺負けを喫するという醜態をさらした。一方、谷口はさすまた攻撃&セコンド乱入で反則負けを告げられるも、田中のお株を奪うテーブルクラッシュを炸裂させて憂さを晴らした。

 これまでGHCヘビー級王座を何度も争ってきた森嶋の豹変ぶりに、杉浦は「手応えがない。プロレスの戦い方を忘れてるんじゃないの」と酷評。一方、超危暴軍のセコンドの拳王は谷口のさらなる覚醒を予告した。

小川&セイバーのテクニシャンコンビが初防衛

小川とセイバーの日英テクニシャンコンビはGHCジュニアタッグ王座の初防衛に成功 【t.SAKUMA】

 GHCジュニア・ヘビー級選手権試合では、王者の小川良成&ザック・セイバーJr.組が、KAIENTAI−DOJOの旭志織&ヒロ・トウナイ組を退け初防衛に成功。リトル☆ギャラクシーの息の合った連係レスリングテクニックに、20分近くに及ぶ長期戦となるも、最後はセイバーが必殺のジムブレイクスアームバーでトウナイを仕留めた。

 絆を確かめ合った王者組は、次期防衛戦の相手として、「レスリングで勝負できるチーム」を熱望。プロレスの神髄であるレスリングテクニックを堪能できるような相手との遭遇を訴えた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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