まずは一歩を踏み出そう 四角友里のゼロからの山歩き 第2回

四角友里

山の中にいる自分をイメージをしてみる

山の中での具体的なイメージを作ってみる 【写真提供:四角友里】

 私はいつも、山歩きが初めての友人を連れ出す前に、「山でどんなことをしてみたい?」と聞くようにしています。山の中で過ごしているときの自分をイメージしてもらうと、趣味嗜好がはっきりとしてくるのです。

「とにかく青い空と絶景が見たい!!」「可愛いお花の写真をとりたい」「大きな樹に抱きつきたい」「実は、きのこモチーフに萌える」「湧き水でコーヒーを入れてみたい」「パワースポットで祈願したい」「森林浴で癒やされたい」「登山後の温泉って気持ちよさそう」……などなど、答えは人それぞれ。

 山の「情報」だけでなく、自分自身が自然の中でどういう気持ちになりたいのかも、山選びの大切なポイントです。そのキーワードをもとに、山選びをすると、もっともっと“山とのご縁”は深くなるはず。

頂上に行くだけが目的じゃない

下山後の食事を楽しみにするのもGOOD 【写真提供:四角友里】

 こうやって、じっくりと山選びをしていくと、山歩きの目的とは、頂上へ登頂する以外にもたくさんあることが分かります。

「◯◯山への登山」というと、山の形や山頂からの景色を想像しがちですが、その山に触れている時間まるごとが、山歩きのぜいたくな時間です。

山に行きたい理由はいくつあっても楽しい

【写真提供:四角友里】

 山へ向かう人それぞれに理由があり、ひとつひとつの山に違った魅力があります。「自然を傷つけず、安全に、笑顔で愉しませてもらうこと」そして「自分と山のつりあい」に気をつければ、私は、どんな人でも山と触れ合えると思っています。

 私の“初めての山(上高地)“のように、観光地での1時間の散策だったとしても、どんな人、どんなレベルでも、一歩を踏み出したときにだけ見られる特別な表情が山にはあるのです。山へ憧れる気持ちを、自分と山に相談しながら、行動に移していけたらいいですね。

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著者プロフィール

アウトドアスタイル・クリエイター。「大好きな自然と、自分らしいスタイルで繋がりたい」というメッセージを掲げ、執筆、トークイベント、アウトドアウェアのプロデュースなどの表現活動を続ける。『朝日新聞』、『日本シェアリングネイチャー協会』などで連載をもつ。2010年、ニュージーランドの永住権を取得。日本とニュージーランドの山歩きをライフワークとしている。山スカートの第一人者、着物着付け師の顔も持つ。著書に、ライフスタイルエッセイ『デイリーアウトドア』(メディアファクトリー)、自身の試行錯誤から学んだ山のノウハウが満載の『一歩ずつの山歩き入門』(エイ出版社)がある

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