フェノーメノ連覇の鍵は「自分の競馬」=天皇賞・春直前スペシャルインタビュー
昨春の天皇賞馬フェノーメノが連覇を狙う 【netkeiba.com】
そのフェノーメノが、3月29日の日経賞で9カ月振りにターフに戻ってきた。復帰初戦は5着と敗れたが、当然、ひと叩きされての変わり身は見込めるだろうし、本番に向けての調整過程も気になるところだ。そのあたりも含めて、連覇に向けての見通しや意気込みを調教パートナー・戸田博文厩舎の佐々木勝利調教助手に聞いた。
(取材・文:佐々木祥恵)
9か月間の戦線離脱、“らしさ”を取り戻すまで
9カ月の戦線離脱の影響は大きかったが、ひと叩きされたことで本来の“らしさ”が戻ってきた 【netkeiba.com】
「宝塚記念の後は放牧に出て、こちらに戻ってきたのは8月の末でした。帰厩後、順調に乗り込んでいましたが、確か2回目の追い切りの後に左前脚に繋靭帯炎を発症してしまいました。ジャパンカップや有馬記念に出走させられるくらい軽い症状でしたが、中途半端な状態で出走させられる馬ではないですし、まだ先もありますから休養させることにしました」
佐々木助手は、秋競馬全休の理由を語った。
「症状が軽かったので、回復も早かったようです」という佐々木助手の言葉通り、美浦に戻ってきたのは1月下旬だった。しかし佐々木助手が1月18日に負傷をし、帰厩当初はフェノーメノに騎乗することができなかった。
その間、2月の大雪の影響もあり馬場状態が安定しなかったために、日経賞1週前までは慣れないポリトラックコースでの調整が重ねられていた。
佐々木助手が仕事に復帰したのが3月11日。久々にフェノーメノに跨った感触はどうだったのだろうか。
「肉体的には完成されている馬なので、大きな変化は感じませんでしたが、少しテンションは高かったように思います。半年以上レースが開いたのは初めてでしたので、反応が良くないという感じはありましたね。日経賞の週になって、ようやくメノらしい動きになってきたと感じました」
そして迎えた日経賞は、ウインバリアシオンに次いで2番人気に推されたものの、5着に敗れる。
「普段よりも気負いがあっって、レース当日は馬体重が思った以上に減っていました。パドックではジョッキーが騎乗するとスイッチが入りますが、騎手が乗る前まではドッシリしていてゆったり歩く馬なんですよ。それが日経賞のパドックでは、発汗してイライラして歩いていました。それでもある程度はやれるのかなと思っていたのですが、レースでは自分から止めるようなところもありましたし、まだ中身が伴っていなくて苦しかったのかもしれませんね」
9カ月間、戦列から離れていた影響は少なからずあったようだ。