エピファの敵は近年最強の香港ダービー馬=香港クイーンエリザベス2世カップ展望

JRA-VAN

非凡な能力デザインズオンローマ

エピファネイア最大のライバルとなるのは、この香港ダービー馬・デザインズオンローマだろう 【photo by THE HONG KONG JOCKEY CLUB】

 1995年に国際競走として生まれ変わったG1クイーンエリザベス2世Cも今年で区切りの20回目を迎える。のべ19頭の勝ち馬のうち地元馬が8勝を挙げ、外国勢は日本と南アフリカが各3勝。アキードモフィード(故障で回避)に騎乗する予定だったD.ホワイト騎手が3勝、2着2回。今回大挙4頭を出走させるJ.ムーア調教師が3勝、2着5回と好成績が目立つ。馬齢では5歳が10勝でトップ、4歳が6勝で続き、6歳、7歳、8歳は各1勝。これらの過去データからはJ.ムーア厩舎の5歳、もしくは4歳馬(牡馬かセン馬)が有力馬として浮かび上がる。

 これに該当するのは、先月の香港ダービーを制したデザインズオンローマ(セン4、父ホーリーローマンエンペラー)だ。年長馬のトップクラスとの対戦は初めてだが、距離延びてからの競馬ぶりに非凡な能力が漂う。また、6歳がネックになるが、昨年の覇者でJ.ムーア厩舎とJ.モレイラ騎手の黄金コンビで臨むミリタリーアタック(セン6、父オラトリオ)、昨年12月のG1香港ヴァーズの勝ち馬で前走のG1ドバイシーマクラシックでジェンティルドンナの5着したドミナント(セン6、父カシーク)も末脚強靱。レース史上初の同一厩舎による1、2、3着独占もあり得る顔ぶれだ。

シャティンの芝はエピファネイア向き

シャティンの芝はパワータイプのエピファネイア向き、実力を考えれば突き抜けることも十分可能 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 エピファネイアはG2産経大阪杯で3着。キズナの引き立て役になってしまったが、芝2000m戦で日本より2秒以上も時計のかかるシャティンの馬場は馬力のある、この馬向き。地元勢のぶ厚い壁を崩すとすれば、この日本の4歳馬か。

 アンコイルドは勝ち鞍(5勝)すべてが芝2000m戦。フランス産のジャイアンツコーズウェイ産駒で少し時計のかかる馬場はぴったり。逃げ馬をマークする絶好のポジションで好結果をめざす。

 南アフリカのヴェルシンゲトリクス(牡4、父シルヴァノ)は、G1ドバイデューティフリー(2着)でジャスタウェイに完膚なきまでに叩きのめされて連勝がストップ。南アフリカ時代に2000mのG1勝ちがあり距離はこなせそうだが、ここも相手が強く、突き抜けるまではどうか。

V候補は3頭、三つ巴にアンコイルドがどこまで

三つ巴の争いにアンコイルドがどこまで迫れるか 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

◎デザインズオンローマ
○ミリタリーアタック
▲エピファネイア
☆ディビヤニ
△アンコイルド
△ドミナント
△ヴェルシンゲトリクス

 中心は近年最強のダービー馬と評判の高いデザインズオンローマ。相手はこの時期に強いミリタリーアタック。これをまとめて負かす力を秘めるエピファネイアを加えた3頭が優勝候補。地力あるドミナント、ヴェルシンゲトリクス、アンコイルドが入着候補。穴馬には香港ダービー(3着)で強烈な末脚を披露したディビヤニ(セン4、父シャマーダル)を挙げる。見応えある競馬が見られそうだ。

(文:奥野庸介)
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