“世界最高峰”両翼の進撃を止めたレアル システム変更とSBとの連携で攻撃を寸断
ペップ・バイエルンに求められる両翼の役割
ベンゼマのゴールでレアルが1−0の勝利。有利な状況で王者バイエルンとの第2レグを迎える 【Getty Images】
バイエルンの両翼にはアリエン・ロッベンとフランク・リベリという世界最高峰のドリブラーがいる。しかし単独ですべてを何とかできるわけではない。スペースがある中で1対1の状況を作られると怖いというのは対戦相手も重々承知している。彼らが持つ偉大な個の力を最大限に生かすためにはチームからのサポートが必要不可欠だし、同時にチームのリズムを作りだすために、彼らからのチームへのサポートも欠かせない。特に密接な関係を持つSBとの連携がなければ機能しない。
ポゼッションを重視し、テンポの良いパス回しから相手の急所を射抜いていくジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルンでは、リベリとロッベンは常にドリブル勝負を仕掛けるのではなく、スペースに顔を出してパスを引き出し、奪いに来たら簡単にパスをはたいて相手を走らせることも求められている。彼らが相手マークを引き連れ、できたスペースに周りの選手が飛び込み、それを繰り返しながら相手守備を崩していく。ボールサイドで数的有利な状況を作り出し、相手にパスの意識を持たせておいてから、ドリブルで突っかける。チームとしてリズムを作りながら、彼らの突破力も生かすという相互効果がある。
痛かったリベリの不調
それでもグアルディオラは「誰でも悪いプレーをすることはある。しかしフランクはわれわれにとって非常に重要な選手なんだ。いつだって気持ちのこもったプレーをしてくれる」とかばっていた。しかしこの試合でもパフォーマンスが急上昇することはなかった。レアル・マドリーの右SBダニエル・カルバハルの密着マークを受け決定的な仕事ができなかった。後半はミスも増え、途中交代している。
重要なリベリとロッベンの距離感
第2レグで勝利し、決勝進出を果たすためには彼らの爆発が欠かせない。バイエルンの攻撃が最も怖いのはリベリとロッベンが近い距離でプレーし、パス交換とドリブルを織り交ぜながら相手守備を追い込んでいく時だ。そしてそれができる時の二人は守備での迫力にもすごいものがある。積極的にボールを追い込み、その勢いを攻撃に反映させていけるかが重要になるだろう。