“ムエタイ都市伝説”ヤスユキが逆転KO=“居合パンチ”町田に右クロス一閃

長谷川亮

4R、右クロスのカウンターで町田からダウンを奪ったヤスユキ。これでペースをつかむと町田に連打を浴びせて、注目の一騎打ちを見事TKOで制した 【t.SAKUMA】

「REBELS.26」が20日、東京・ディファ有明で行われた。

 メインイベントはREBELS60kg級王者・町田光とREBELS−MUAYTHAIスーパーフェザー級王者・ヤスユキによる注目の一騎打ち。ヒジ・ヒザありのムエタイルールで日本トップの強さを見せるヤスユキだが、居合抜きのような構えから放つ“居合パンチ”を得意とする異能のファイター・町田戦を熱望し、ヒジなしREBELSルールでの対戦となった。

 試合は1Rこそ互いに間合いを詰めずミドルやローを中心に探り合いの様相を見せるが、2Rから速い出入りでミドル&ロー、上下に打ち分けるパンチと多彩に散らす攻撃で町田がペースを握る。町田は居合パンチの構えも見せ幻惑すると、肩越しに右クロスを打ち込み、ヤスユキをグラつかせる。

 3Rも町田は左フック、右ストレートととらえ、次第に距離感が合ってきた印象。これは町田のKOもあるかと思われる試合展開で迎えた4R、ジャブを突き距離を作ったヤスユキは、町田がボディへのヒザで飛び込んできたところを逃さず右クロス一閃。これで打ち落とすように町田をとらえ逆転のダウンを奪う。

 気力で立ち上がった町田だがダメージはいかんともしがたく、ヤスユキが連打から再びの右クロスで倒したところで町田のセコンドがタオルを投入(4R1分36秒 TKO)。

 かつては交流を行わない鎖国団体に身を置き、そのミステリアスな実力から“ムエタイ都市伝説”の異名を取ったヤスユキだが、駿太、中村敏射、SHIGERUに次いで今回も実力者・町田を撃破。試合をひっくり返す底力と、一気に決める決定力を同時に見せ、着実に都市伝説を日本最強説へと塗り替えつつある。

大会結果

■「REBELS.26 〜the duel〜」
4月20日(日)東京・ディファ有明

<メインイベント 60kg級 REBELSルール 3分5R>
○ヤスユキ(Dropout/REBELS−MUAYTHAIスーパーフェザー級王者)
(4R1分36秒 TKO:セコンドからタオル投入)
●町田 光(橋本道場/Japan Kickboxing Innovation/REBELS60kg級王者)

<セミファイナル REBELS−MUAYTHAI 68kg契約 REBELSルール 3分5R>
○板倉直人(スクランブル渋谷/REBELS− MUAYTHAIウェルター級王者)
(判定3−0:50−47、50−47、49−47)
●シティサック・ソー・ソムポン(タイ/元タイ東北部スーパーライト級王者)

<第15試合 REBELS−MUAYTHAI 68kg契約 REBELSルール 3分5R
○T−98(クロスポイント吉祥寺/WBCムエタイ日本ウェルター級王者、REBELS− MUAYTHAIウェルター級1位)
(3R1分39秒 KO)
●パーカーオ・クランセーンマーハーサーラカーム(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級8位)

<第14試合 56kg契約 REBELS−MUAYTHAIルール 3分5R>
△ペッマイ・エスジム(タイ/エスジム/元アウスウィンダムスタジアム認定バンタム級王者)
(判定ドロー:50−48、49−49、49−49)
△炎出丸(クロスポイント吉祥寺/REBELS−MUAYTHAIスーパーバンタム級1位、J−NETWORKスーパーバンタム級王者)


<第13試合 52kg契約 REBELSルール 3分3R>
○小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/REBELS−MUAYTHAIフライ級王者)
(判定3−0:30−26、30−26、30−28)
●古田恭人(はまっこムエタイジム/REBELS−MUAYTHAIフライ級3位、MA日本フライ級王者)
<第12試合 65kg契約 REBELSルール 3分3R>
○中村広輝(赤雲會/REBELS 65kg級3位)
(判定3−0:30−28、30−28、30−28)
●小宮由紀博(スクランブル渋谷/REBELS 65kg級1位)

<第11試合 65kg契約 REBELSルール 3分3R>
−UMA(K&K BOXING GYM/REBELS 65kg級2位)
(1R0分24秒 ノーコンテスト)
−中田裕市(クロスポイント古河/REBELS 65kg級6位)

<第10試合 51kg契約 REBELSルール 2分3R>
○いつか(新宿レフティージム/WPMF日本女子フライ級王者)
(2R1分59秒 KO)
●キム・ヒョジン(韓国/大韓プロムエタイ協会フライ級1位)

<第9試合 51kg契約 REBELSルール 2分3R>
△松田玲奈(y−park/J−GIRLSフライ級王者)
(判定ドロー:29−28、29−30、29−29)
△ビョン・ボギョン(韓国/韓国女子48kg級王者、韓国散打選手権優勝)

<第8試合 REBELS−MUAYTHAI ウェルター級 REBELS−MUAYTHAIルール 3分3R>
○喜入衆(フォルティス渋谷/REBELS65kg級5位、元J-NETWORKスーパーライト級王者)
(判定3−0:29−27、29−27、30−27)
●藤ノ木岳(チャモアペットムエタイアカデミー)

<第7試合 60kg級 REBELSルール 3分3R>
○野上勇介(龍二ジム/REBELS60kg9位、REBELS 60kg級2013年新人王)
(判定3−0:30−29、29−28、30−28)
●櫻木崇浩(バンゲリングベイ・スピリット/REBELS60kg級6位)

<第6試合 フェザー級 REBELS−MUAYTHAIルール 3分5R>
○工藤政英(新宿レフティージム/REBELS−MUAYTHAIフェザー級7位)
(3R1分36秒 KO)
●立嶋篤史(ASSHI−PROJECT/元全日本フェザー級王者)

<第5試合 スーパーフェザー級 REBELS−MUAYTHAIルール 3分3R>
○HIRΦKI(Dropout/REBELS−MUAYTHAIスーパーフェザー級7位)
(判定3−0:30−27、30−27、30−27)
●渡部翔太(チームドラゴン/REBELS−MUAYTHAIスーパーフェザー級6位)

<第4試合 REBELS−MUAYTHAI フェザー級 3分3R>
○下東悠馬(クラミツムエタイジム/REBELS− MUAYTHAIフェザー級9位)
(判定2−1:28−29、29−28、30−29)
●立澤敦史(チャモアペットムエタイアカデミー/REBELS− MUAYTHAIフェザー級6位)

<第3試合 REBELS−MUAYTHAI ライト級 REBELS−MUAYTHAIルール 3分3R>
○下丈一朗(TARGET/WPMF日本ライト級6位)
(判定3−0:29−27、29−27、30−27)
●嘉村佳孝(MSJ/KOSライト級王者)

<第2試合 ライト級 REBELS−MUAYTHAIルール 3分3R>
○良太郎(池袋BLUE DOG GYM)
(判定3−0:30−26、30−26、30−26)
●並木義弘(team OJ)

<第1試合 45kg級 REBELSルール 2分3R>
○COMACHI(MSJ/J−GIRLSピン級5位)
(判定2−0:30−29、29−29、30−28)
●宗田智美(シーザージム渋谷/シュートボクシング協会)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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