エピファネイア世界デビューへ=ドバイに続け、香港は福永に任せろ!
ドバイの余韻冷めやらぬまま、次は香港
菊花賞馬エピファネイアが4.27香港クイーンエリザベス2世Cで世界デビュー 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
エピファネイアはデビューから無敗のまま3連勝で楽々とラジオNIKKEI杯2歳Sを制し、同世代のトップクラスに登りつめる。この時点で既にクラシック戦線の筆頭候補に挙げられていた。しかし、いざクラシック戦線に入ると好走こそするものの、あと一歩の所で勝利の2文字を掴めず、もがき苦しむことになる。
3歳初戦の弥生賞では道中で行きたがり、直線入り口で早々に先頭に立つと、最後は脚を使い切ってしまい、クビ、ハナ、クビ差の4着。初めて土がついた。続く皐月賞も道中で折り合いを欠き、早々にスタミナをロス。最後は同じようなタイミングで抜け出し、直線で終始激しい叩き合いを繰り広げたロゴタイプに競り負けての2着だった。さらに春の大一番・日本ダービーでは、道中で躓いてバランスを崩し、直線では前を行く馬群が壁になるなどの不運も重なり、キズナとの壮絶な追いくらべの末に、ここでも僅差の2着に敗れてしまう。期待されながらも3歳春はまさかの未勝利。エピファネイア陣営は秋の再起に賭けた。
3歳秋、眠っていた才能が遂に開花
神戸新聞杯で格の違いを見せつけたエピファネイアの進撃はまだまだ止まらない。最大目標である菊花賞でもその強さを誇示した。好スタートを決めたエピファネイアは、いつもの中団待機ではなく果敢に先行集団に位置取り。春はあれほど課題だった折り合い面も問題なく、鞍上の福永騎手の指示通りに前を行く馬たちを見ながらレースを進めていった。そして、4コーナーで早くも先頭に躍り出ると後は孤独な一人旅。後ろからどんな馬が末脚を駆使して追い込んでこようと、エピファネイアとの距離は縮むどころか広がる一方だ。最終的には2着に5馬身差をつける圧勝で3冠最後のタイトルを奪取。あまりの強さに世代最強の声も上がるほどだった。
ジャスタウェイの再現を
香港を熟知している男・福永とともに 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】
前哨戦の産経大阪杯では久々となるライバル・キズナとの対決だったが、結果は直線で伸びるもキズナにかわされ、前を行くトウカイパラダイスも捕えられず3着。この結果に対して賛否両論あったが、ここは大一番へ向けてのステップレース。あくまでも目標はQE2Cだ。そう考えれば勝敗を特に気にする必要もない。産経大阪杯を使ったことが、香港での好結果につながれば問題ない。
また、主戦ジョッキーの福永騎手はかつてエイシンプレストンに騎乗してQE2Cを連覇している。日本人騎手で彼ほどこのコースを熟知している者は恐らくいないだろう。それに、先のドバイではジャスタウェイを勝利に導くなど、福永騎手自身も好調の波に乗っている。エピファネイア、福永祐一が人馬一体となれば、おのずと結果はついてくるはずだ。強いエピファネイアの姿を見せてほしい。
(photo & text by Kazuhiro Kuramoto)
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