桜女王ハープスター「32秒9」の衝撃 川田の自信と信頼、負けるイメージなし
ハープスターが衝撃的な勝ちっぷりで桜花賞を制覇 【スポーツナビ】
ハープスターは今回の勝利でJRA通算5戦4勝。重賞は2013年GIII新潟2歳S、14年GIIIチューリップ賞に続き3勝目。騎乗した川田は桜花賞初勝利、同馬を管理する松田博資調教師は93年ベガ、09年ブエナビスタ、11年マルセリーナに続き桜花賞4勝目となった。
クビ差の2着には2番人気だった昨年の2歳女王、戸崎圭太騎乗のレッドリヴェール(牝3=栗東・須貝厩舎)。さらに3/4馬身差の3着には岩田康誠騎乗の5番人気ヌーヴォレコルト(牝3=美浦・斎藤厩舎)が入った。
まるで、格が違う、とばかりに
口取り式で川田は高々と人差し指を立て“まずは一冠”をアピール 【スポーツナビ】
「最後はレッドリヴェールと馬体が合う形になりましたが、ひるむことなくアッサリかわしてくれましたね」(川田)
パトロールビデオを見ると分かるのだが、外から猛然と迫るハープスターに対し、戸崎レッドリヴェールは馬体がぶつかるギリギリくらいまで併せに行っている。急激にインから他馬に迫られては、普通ならひるんで外に逃げたり、スピードを緩めてしまうもの。しかしハープスターは違った。川田が語ったように実に“アッサリ”とパスしていったのだ。まるで、格が違う、とばかりに。
4角最後方、普通の馬ならば絶望的な位置
普通ならば絶望的なポジション、しかしハープスターはそこからアッサリと先頭まで突き抜けた 【スポーツナビ】
「リズムを取って乗ることだけを考えていました。直線で追い出せば必ず届いてくれると、強い思いで信じていました」
とはいっても、今年の桜花賞の流れは特殊だった。横山和生フクノドリームが敢然と逃げ、最初の半マイルが45秒3。これは阪神マイルがゆったりと走れる外回りコースとなってからは、最速の超ハイペース。すでに死滅してしまったと思っていた“魔の桜花賞ペース”という言葉がふと浮かんだ。こういうときは何かとんでもない波乱が起きるものである。事実、フクノドリームが直線入り口に差しかかっても、ハープスターは依然として最後方で、しかも4コーナーの大外をぐるりと回っている。その差はまだ15馬身くらいはあっただろうか。普通の馬だったら、絶望的な位置だ。
ハープスターの馬券を握りしめていたファンはこの時、何を思っただろうか? それでもなおハープスターは勝つと信じていただろうか? それとも差して届かずの場面が頭をよぎっただろうか?