松岡修造が占う、デビス杯日本vs.チェコ=「自分が試合に行く感覚で観戦を」
デ杯、チェコ戦について熱く語る松岡修造氏 【スポーツナビ】
ホームで迎え撃つ次なる相手は、現在、大会2連覇中の王者チェコ。世界ランキング7位のトマシュ・ベルディヒは欠場するが、チームを支えるベテランのラデク・ステパネクら実力者がそろう。対する日本は、当初出場が予定されていたエースの錦織圭(日清食品)が左脚付け根の痛みのため欠場。今大会には添田豪選手(GODAIテニスカレッジ)、伊藤竜馬選手(北日本物産)、内山靖崇選手(北日本物産)、ダニエル太郎選手(IMG)の4人が総力を挙げて臨む。
スポーツナビでは、今大会の魅力やチェコ戦の見どころ、4強入りを目指す日本の戦略などについて、日本テニス協会強化副本部長でもあり、この試合をWOWOWで解説する松岡修造氏に聞いた。
日本が弱かったのは「松岡修造がいけなかった」
僕の時は、日本はデビスカップでWGに入ったことがなくて、弱かった。その第一の理由は、松岡修造がいけなかったんです。デビスカップはナンバーワンの選手がどれだけ安定して勝つかが絶対条件。第2条件はダブルスが強いかどうか。(僕の時は)両方弱かったですね。個人戦とは違って日本という看板も背負っていたので、一番プレッシャーのかかる試合でもありました。一言で言えばそのプレッシャーに弱かったんです。
今の日本は強くなりました。植田実監督は、日本が強くなるためだったら死んでもいいと思っている人です。その思いが選手たちに伝わってるんだろうなという気がします。
デビスカップではチーム力が大事です。(今の日本には)そのチーム力がものすごくあります。だからこそ、WGに行けているし、しかも1回戦を勝っています。たぶん、錦織圭選手(日清食品)だけでなく、チーム全体で、デビスカップへの思いが熱くなって、プレッシャーを乗り越えているのでしょう。弱い僕から見ると、この上ないうれしさと、今は信じられない場所にいるんだという思いがあります。今大変なことが起こっているんだという気持ちで、僕は見てるんですよ。
ただ、スポーツナビを今ご覧になっている人は「え、そうなんだ!」と思っているのではないでしょうか。なぜなら、そう(そんなにすごいことと)思っていないから。それが分かるのは、デビスカップを見る以外ありません。今回は日本で行われるので、見に行ったら「テニスってこんな感じなんだ!」と分かると思いますよ。
――団体戦のデビスカップでは、ファンの盛り上がり方も個人で回るツアーとは異なるのでしょうか?
(観客は)選手個人じゃなくて、日本を応援します。サッカーでも、Jリーグや海外リーグとは別に、日の丸を背負うと一気に心が一つになる、その感覚ですね。
――選手にとってデビスカップの位置付けは?
選手によって違うと思います。ただ、僕は日本代表として戦うデビスカップを大事にしてほしいとずっと昔から思っていました。だからこそジュニア合宿を15年間行う中で、大会を(実際に)見せながら、選手が幼いころからデビスカップの大切さを注入してきたつもりです。彼らにはっきりと言いました。「僕はプレッシャーで負けた。でも、君たちには負けてほしくない。だからメンタルトレーニングとしてこんなことをやっていかなければならない」と。
ただ、僕はWGというものを注入できていません。僕もやったことがないですから。だから、これは彼らが初めて経験することですね。