快挙の7人制日本代表、今後の課題は? リオ五輪へ強化のスピードアップを
「日本のセブンズにとって本当に大きい一歩」
イタリアを破り、コアチーム昇格を果たした7人制日本代表 【Getty Images】
世界を転戦し、総合優勝を争うこのシリーズのコア入りは7人制日本代表の悲願。定期的に強豪国と対戦する機会をようやく手にすることができた。
「これはまだスタートではあるが、日本のセブンズにとって本当に大きい一歩だと思う」と瀬川智広ヘッドコーチ。決して恵まれた環境でない中で手にした勝利だけに喜びもひとしおだろう。
アジア勢初の快挙。だが瀬川ヘッドコーチの言葉通り、このコア入りは出発点に過ぎない。せっかくのワールドシリーズ参戦もシーズン最下位になれば1年で降格してしまう。リオデジャネイロ五輪までハイレベルな戦いに身を置き続けるためには、まだ環境面や仕組みでの課題が多く残されている。
7人制専任選手を中心に
今回の昇格大会では福岡堅樹(筑波大)、藤田慶和(早稲田大)という2人の15人制日本代表が招集された。しかし世界的に見ても15人制と7人制は別物という考えが一般的であり、兼任する例はあまりない。それは求められる資質と能力が異なるからだ。
日本協会でセブンズ部門長を務める本城和彦氏は1月の記者会見で「2014−15年シーズンは150日程度拘束してすべての活動に参加するコアメンバーと、いくつかの大会に参加するメンバーで年間スコッドを構成する」と話していた。この150日という数字、そしてセブンズワールドシリーズのスケジュールが国内のトップリーグならびに15人制代表の活動時期と大きく重なることを考えても、来季、代表のコアメンバーは7人制専任に近い形にならざるを得ないだろう。
加えて五輪予選は2015年中に行われる見通しだ。だが同年は15人制ワールドカップも開催される。もし五輪予選がワールドカップ前になれば、そこに向けて準備を進める選手を呼ぶことはできない。ワールドカップ後になれば可能性も出てくるが、「その場合も今大会の福岡、藤田のようにジョーカーとしての役割になる」と岩渕健輔日本代表ゼネラルマネージャーが言うように過度の期待はできない。