3度目Vに真央「最高の形で恩返しできた」=世界フィギュア女子FSトップ3会見

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コストナー、慣れていても緊張した世界選手権

今大会を振り返り「最高の形で恩返しできた」と穏やかな表情で語った浅田 【坂本清】

――浅田選手とコストナー選手に質問です。今大会でのパーソナルベストは何を意味しているのか? そして今後はどうしていきたいと思っているのか?

浅田 この五輪のフリーの演技と世界選手権は、順位や得点よりも、自分がバンクーバー以降、一からやってきたことをすべて出そうと思ってやってきました。一からやってきた自分が目指してきたことができたんだという確信と、ようやく評価してもらえたんだという思いでいっぱいです。今後のことは終わってから決めるということだったので、まだ何も決まっていません。

コストナー 五輪では気持ち的にも良かったんですけど、何か1つの自分のサイクルで円を描き切れたなと。つまり全部がかみ合った、完全なものになったと手ごたえを感じていました。今回の世界選手権は、日本のお客さんはフィギュアスケートが好きなので、皆さんと一緒に楽しみたいと入ってきました。今後に関しては、私は20年間フィギュアスケートに懸けてきたので、まだ決めてはいないんですが、何か別のことをやりたいという気持ちもあります。世界選手権に向けてのトレーニングをしていた時も、じっくり考えることができなかったので、真央と一緒でこれから考えていきたいと思います。

――浅田選手は今回が3回目の世界タイトルで、佐藤コーチと取ったのは初めてとなる。過去の2回と違って、何か違う意味合いはあるのか?

浅田 この4年間は、信夫先生と一からやってきました。目指していたのはソチで自分の最高の演技をすることで、信夫先生にもメダルをかけてあげたかったという思いもあったんです。今回の試合で、メダルをかけてあげたいと思っていたので、この4年間やってきたことを、最高の形で恩返しできたなと思いますし、支えてくださった方々、ファンの方々にも恩返しができたと思っています。

――コストナー選手への質問です。今日は1つ1つのジャンプに入るとき、笑みを浮かべていたが、試合には楽しんで入ろうとしていたのか?

コストナー 私は12回も世界選手権に出場しているんですけど、毎回緊張していたんですね。そういう意味では自分に対して笑うしかないなと思いました。もう慣れているし、何度も経験していてどんなものか分かっているはずなのに、緊張してしまうんです。それが自分の強さになる時もあるし、大きな障害になる時もあります。自分のそういう繊細なところ、感性というものが氷の上でいろいろ表現するのに、役立つこともあれば、むしろ弱みになることもあります。なのでジャンプを跳ぶたびに『何でこんなに緊張しているんだろう』と。自分に対して『勇気を出して跳びなさい』と言っていたんです。今回はうまくいきませんでした。残念な結果だと思いますが、この競技はそういうものなんだと思っています。そういう意味で、1つ1つの大会で非常に良い思い出を持って帰れればいいのではないかと思っています。

リプニツカヤ「怖がることがなくなった」

――通常、五輪後の世界選手権、そして翌シーズンはすべてを再構築する期間ということでなかなか競技のレベルが高くないというのが通例だった。今シーズンは本当にレベルが高かったが、何がこれまでと違ったのか? そして、それは今後の戦いにどう影響すると思うか?

浅田 私はこの世界選手権は、五輪の悔しさをぶつける思いで臨みました。五輪後も1日1日良い練習ができていたので、この大会でも良い演技ができたんだと思います。

リプニツカヤ 私は、五輪は団体戦と個人戦の2回出たので、その2回の中で、1回目の団体戦は成功してすべてうまく滑ることができました。でも2回目の個人戦はそこまでいかなかったので、今回は違った思いを持って来ました。結果的には、今回は団体戦ほどではないが、個人の時よりは良い演技ができたので、それは良かったと思います。

コストナー ここ数年の傾向として、女子の水準が非常に高いレベルに引き上げられていると思うので、驚くべきことではないと思います。個人的には日本のお客さんが後押ししてくださり、ベストを尽くさせてくれた、気持ち良くもっとやりたいと思わせてくれたことがその理由だと思っています。

――リプニツカヤ選手に質問です。浅田選手、コストナー選手と素晴らしい選手と戦ったことで、若いスケーターとしてどういうことを学んだか? また、大切だなと思ったことは何か?

リプニツカヤ ここにいる2人の選手は大変素晴らしいスケーターなので、私は全部を学べると思っています。例えば練習の仕方、練習の態度、試合への臨み方、試合のエレメンツです。今年一番の重要な経験は何かというのは難しい質問で、1つ1つの経験がどんどん積み上がって貯金が増えていきました。たくさん積み上がっていって今の自分ができて、いろいろなことに対して怖がることがなくなったと思っています。

<了>

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