3度目Vに真央「最高の形で恩返しできた」=世界フィギュア女子FSトップ3会見

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浅田(中央)が3度目の優勝。2位はリプニツカヤ(左)、3位にはコストナーが入った 【坂本清】

 フィギュアスケートの世界選手権第4日は29日、さいたまスーパーアリーナで行われ、女子フリースケーティングでは、ショートプログラム1位の浅田真央(中京大)がフリー138.03点、合計216.69点で、4年ぶり3度目の優勝を飾った。2位はロシアの15歳、ユリア・リプニツカヤ(ロシア)でフリー132.96点、合計207.50点。3位にはソチ五輪銅メダルのカロリーナ・コストナー(イタリア)がフリー126.59点、合計203.83点で入った。

 以下は、女子優勝の浅田、リプニツカヤ、コストナーのコメント。

浅田、支えてくれた方々に感謝

――試合が終了した時点での率直な気持ちは?

浅田 試合が終わって、インタビュー、表彰式といろいろとバタバタしていて、まだ気持ちの整理がつかないまま来ています。今回のこの試合は、ショートとフリーで自分がやり切ったと思える演技をすることが目標だったので、それがほとんどできてうれしく思っています。

コストナー 今日のフリーに関してはとても残念です。失望を隠すことはできません。望んでいた内容ではなく、ベストな演技ではありませんでした。でも、日本のお客さんの前で滑ることは本当に素晴らしいと思いました。私の心を後押ししてくれていたので、戦い抜きたいと思わせてくれましたし、最後までベストを尽くしたいと思えたのは皆さんのおかげだと思います。大会は毎回望むような結果にならないことは分かっているので、そういった時は、大会に出て味わった特別な瞬間というのを切り取って、持ち帰ればいいんだと思います。私は心温まる日本の皆さんの前で滑れて、笑顔で帰ることができると思います。

リプニツカヤ 今日のフリーは今までで一番ではなかったんですけど、1つの失敗以外はまとめられたと思います。スピンもうまくいったと思います。完璧ではなかったですけど、うれしいし、満足しています。日本の皆さんが応援しくれて、たくさんのプレゼントもいただきました。ありがとうございました。

――浅田選手に質問です。お客さんや周りで支えてくれる人への感謝は、どんなきっかけで芽生えたのか?

浅田 (2月の)ソチ五輪を目指すと決めたのはバンクーバー五輪が終わった後でした。バンクーバーが終わってからすべてを見直して、一からやってきて、ようやく今季、自分の納得できる演技ができつつあるなと思っていました。バンクーバーからソチまで、ファンの方や、今まで自分を支えてくれた方がこの4年間、良いときも悪いときも応援してくださったことで、そういう思いが強くなりました。

――五輪シーズンが世界選手権を最後に終わった。今季一番思い出に残った出来事は?

浅田 今季はやはり五輪とこの世界選手権の2つの試合ですね。ソチ五輪はバンクーバー五輪が終わってから目指してきたものだし、世界選手権もスケートの競技の中で一番大きな大会なので、両方とも思い出に残っています。

リプニツカヤ 私にとっては、今季はいろいろと新しいことがあり、ひとつを選ぶのは難しいです。どれも私に思い出を作ってくれたし、良いシーズンでした。

コストナー 私はいつも1つ1つの大会で何かを学び取りたいと思っていました。でも今年は大変厳しいシーズンでした。今まで五輪は良い結果が出ていなかったので、むしろ今回の五輪は何も期待せずに臨みました。そういう時に限って、人生って驚くべきことがあるんですよね。今までで最高の演技を五輪ですることができました。本当に子供のころからの夢を五輪で実現できたことがうれしかったし、そういう機会を与えられたことを感謝しています。五輪の後は、今季は世界選手権を最後にすることを、五輪の結果に関わらず決めていました。ただ。あれだけ感情的にも一番高いところを極めてしまうと、現実に戻ってトレーニングを再開しても、それはゼロから始めることを意味します。非常につらかったことは事実です。でも世界選手権に来て、あれだけのことを五輪でやって、どう反応するかというのは分からなかったんですけど、実際にやってみて、自分にとって一番記憶に残るのは、ここでショートを終えたときに、皆さんがスタンディングオベーションで立ってくださって、拍手を送ってくれた。あれはたぶん、私が長年頑張ってきたことに対しての拍手だったと思います。本当に特別な瞬間で感謝しています。

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