新星スマートオリオン「チャンスある」=高松宮記念直前 鹿戸雄師インタビュー
スプリント界の新星スマートオリオン、高松宮記念でビッグタイトルに挑む 【netkeiba.com】
素質開花につながった3歳の夏休み
スマートオリオンのこれまでを振り返った鹿戸師、3歳の夏休みがその後の成長につながった 【netkeiba.com】
「ゲート試験もすぐに受かりましたし、稽古でも良い動きをしていましたので、新潟の新馬戦に使いました。普段は大丈夫でしたが、レースで両前脚にソエが出てしまい、それで休ませました」
その後も、ソエ以外にも腰がフラついたりと弱さを見せて、思い通りにレースを使えない時期が続いた。
「皇成(三浦騎手)も苦労して稽古をつけていましたが、背中が良くて、良いモノは持っていると言ってくれました。でも、なかなか馬がしっかりしてきませんでしたね」
2歳時は新馬戦を含めて2戦したが、掲示板にも載れずに3歳を迎える。3歳初戦の3月の中山芝1800mで5着になり、続く4月の東京の芝1400m戦でも5着と、連続して掲示板に載った。
「4月の東京で良いレースをしてくれたんですよね。これを見て、馬さえ良くなれば未勝利は勝てるだろうと思いました。オーナーとも相談して、この後思いっきり休ませて、牧場で一からやり直してもらいました」
連闘でオーシャンSは予定通り
「予定通り」というオーシャンSはインを突く鮮やかな重賞初勝利 【netkeiba.com】
鋭気を養ったスマートオリオンが、函館の未勝利戦で狙い通りに初勝利を飾ったのは8月末のことだった。勢いに乗った同馬は、500万下(芝1200m)に連闘で出走すると、あっさりと2勝目を挙げた。
「この時はものすごく悪い馬場でした。道悪はあまり得意ではないのですが、楽勝だったんですよね。このレースを見た時に、上のクラスまで行ってくれそうだと感じました」
鹿戸師の予想通り、1000万条件を3戦目でものにすると、1600万下は2戦目で勝ち上がり、あっという間にオープン入りを果たした。
「アクアマリンS(1600万下)は勝算がありましたので、それを勝って連闘でオーシャンSへというのも予定通りでした」
そして迎えたオーシャンSでは、内を突いて抜け出す鮮やかな勝利だった。
「(横山典弘騎手は)完璧な競馬をしてくれましたし、強かった、大きい所に行こうとも言ってくれました」
「強い相手でもある程度は頑張れる」
名手・横山典(左)がGIの大舞台でも絶妙手綱を披露する 【netkeiba.com】
「中山の芝1200mでずっと良績を残していますけど、出走のタイミングがたまたま中山だったというだけなんです。未勝利時に東京でも普通に競馬をしていますし、左回りも大丈夫でしょう。スタートも、前走はタイミングが合わなかっただけなので、心配はしていません」
本番に向けて、状態面も条件も、ほとんど不安点はないと言って良い。あとは初GIの舞台で、どのような競馬をするかだけだ。
「大舞台には初めての挑戦になりますし、そんなに簡単ではないとは思っていますが、前走の勝ち方が鮮やかでしたし、もう少し強いメンバーと対戦しても、ある程度は頑張れるかなと思っています。強い馬が1頭引退しましたので、その点ではチャンスはあるでしょうね」
絶対王者が去り、混戦模様の高松宮記念。スマートオリオンが新スプリント王に名乗りを挙げられるか、注目したい。
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