SB大型補強、ロッテ涌井、オリ金子 吉井理人氏が大混戦パ・リーグを斬る
プロ野球開幕目前、吉井理人氏がパ・リーグの優勝予想、チーム分析をしました 【スポーツナビ】
スポーツナビでは、千葉ロッテ、福岡ソフトバンク、オリックスの主催ゲーム全試合を完全生中継するFOX SPORTS「BASEBALL CENTER」のメーンアナリストを務めている吉井理人氏にインタビュー。ソフトバンクの外国人大型補強、新天地で復活をかけるロッテの涌井、オリックスの絶対エース・金子など、FOX SPORTSで取り上げる機会の多い上記3チームの戦力分析を中心に、吉井氏にパ・リーグの優勝予想をしてもらった。
馬主免許を取得するほどの競馬愛好家でもある吉井氏。インタビュー前々日には馬主となって2頭目の牝馬(父ルーラーシップ)が誕生したこともあってホクホク顔。競馬にちなんだ◎○▲△予想で、大混戦パ・リーグをズバリ斬る!
◎ソフトバンク、○西武、▲日本ハム
競馬愛好家でもある吉井氏が競馬にちなんだ予想でパ・リーグを大胆予想! 本命、対抗に挙げたチームとは? 【スポーツナビ】
はい、分かりました(笑)。パ・リーグは大混戦です。その中でも本命の◎は福岡ソフトバンクホークスですね。対抗の○が埼玉西武ライオンズ。展開次第では本命、対抗に勝つ可能性もある単穴の▲が、北海道日本ハムファイターズ。次に2着、3着の可能性を感じる△になりますが、ここからがもう順位をつけられないのですけど、東北楽天ゴールデンイーグルス、千葉ロッテマリーンズ、オリックス・バファローズとなりますかね。
もう少し説明をしますと、本命のホークスは1着か2着には入るだろうという、馬連の軸のようなイメージです。もしかすると3着の可能性も含めた3連複の軸までと思います(笑)。でもどちらかと言うと、馬連の軸にしたいですね。でも、(断固1位予想に挙げるような)馬単の軸でアタマ付けにはできないですね。
――飛び抜けた存在ではない、と。
そうですね。対抗のライオンズですが、うーん、そうですね……どこのチームも優勝の可能性はあると思うのですが、対抗と言っても、いつもいつもライバルになるという感じではないですね。
――うまいこと噛み合えば、グッと優勝争いに絡んでくるという感じでしょうか?
はい。今年のファイターズとライオンズは似ていると思うのですが、ライオンズの方が去年の順位が上だったので、予想の印でも上位に置いたんですけど、ファイターズは去年最下位で、実力はあるのに着順を落とした馬というような感じですかね。だから、普通に戦えば突き抜ける可能性もあると思います。あとは若手とベテランの入れ替えをしているので、それがうまくハマったとき、ですね。
――続いてですが、意外に思ったのは、去年の優勝チーム・楽天、3位のロッテの評価があまり高くないことです。
これは混戦という意味で、馬券で言ったら穴狙いですよね。去年着順が良かったチームをヒモにつけて、というような感じで(笑)。
――去年の方がむしろ波乱の結果だった、ということでしょうか?
去年の方が大混戦、大・大混戦だったので、去年は順位予想しなかったんですよ。むしろ、印がつけられないくらいだったんです。
――競馬に例えれば、去年のパ・リーグは(予想が難しく)買ってはいけないレース、見るだけのレース、といった感覚でしょうか?
単勝だけちょっと買って、応援している馬を見てるだけ、という感じですかね(笑)。
楽天のリリーフ陣は今年奮起するはず
もちろん、大きいでしょうね。
――単純に貯金24がごっそりとなくなります。
だからと言って、チームがその分だけ弱くなるという話でもありません。現にダルビッシュが抜けてもファイターズが優勝したように、誰か大きな軸の選手が抜けてもガクッと弱くなる感じはしないです。特にイーグルスの場合は、去年の戦いでチームがすごく自信をつけていると思うんですよね。
――ちなみにダルビッシュ投手がメジャーリーグに行く前年、2011年の成績は18勝6敗。貯金は12でした。
貯金は12ですか……12と24、マー君の半分かぁ。やっぱり、それとは比べたらアカンかな(笑)。
――ダルビッシュ投手の2011年の完投数は10試合でした。それも影響は大きいでしょうか?
そうですね。ローテーションという意味では、マー君もそうなんですが、ほぼ1試合投げてくれるピッチャーが週に1回出るのと出ないのとでは全然話が違ってきますからね。でも、イーグルスもマー君がいなくなった分、他の選手も、特に野手が自信をつけています。ピッチャーの方では、去年はリリーフがさっぱりだったんですよ。チームは優勝したけど、リリーフが『オレたち、ダメだったな』って自覚しているはずなので、今年はかなり奮起しているはずです。去年は優勝したけど悔しい思いをしているので。そういうときって活躍する可能性が高い。マー君の穴を全部補うことはできないかもしれないですが、優勝の可能性も十分残していると思います。
――続けて、昨年3位の千葉ロッテになりますが、こちらはいかがでしょうか?
マリーンズは、去年のホークスと似ている感じがあるんです。去年のホークスはみなさん本命の優勝候補に挙げたと思うんですけど、ピッチャー陣が揃っていると言われていた割には、ルーキーの東浜巨が頑張る“かも”とか、大隣憲司が一本立ちする“かも”とか、2年目の武田翔太が成長する“かも”とか、そういうのばっかりで、実際に計算できるのは攝津正しかいなかったんですよ。今年のマリーンズもそれに似ていて、成瀬が故障明けで頑張る“かも”、涌井が復活し“たら”とか、あとは若手の西野とか、唐川、古谷。不確定な要素があり、どう化けるのかが判断し難いので。
――ちょっと計算しづらい部分がある、と。
でも、みんな頑張れば、これまた優勝の可能性はあるとは思うんですけど、僕の予想としては心配な部分が多いかな。しかもピッチャー陣が若返り、成瀬はオッサンのように見えますけど、まだ30歳になっていませんからね。そういうところでこのチームは、良い点もあるのですが、ちょっと不安なところもあるかなと思ったんで、2着か3着までの予想とさせていただきました。
馬券を買うなら6球団BOXで買いたいぐらい
バファローズは、李大浩がいなくなって4番が誰かまだ決まらないような状態ですよね。去年はチーム防御率がパ・リーグでナンバーワンだったんですけど、それでも5位というのは攻撃力、得点の方に問題があったのかなと思います。それプラス、ずっとチームの戦いを見ていて、バファローズはピッチャーは良いんですけど、それを全面に出していないんです。野球の方向性が決めきれず、全部うまくやろうという感じなんですよね、守りも攻撃も。どれかもうちょっと“色”を出して、方向性を決めて戦った方が選手も分かりやすいと思いますね。
――攻撃、守り、いずれも中途半端になってしまっている。
そうですね。実力を持った選手は揃っているので、爆発力はあると思うのですが、そこは他のチームより不安があるかなと思います。
でも言いたいのは、みんなどのチームも優勝の可能性を持っているということですね。
――これはいらないだろう、というチームは……
ない、ですね。馬券を買うとしたら、できれば6球団BOXで買いたいですよ(笑)。そんな予想家はダメですけどね(笑)。
――アハハハ(笑)。優勝はこのチーム、2位はこのチームと言うのはなかなか難しいですか。
1点予想では言いづらいですねぇ。予想しづらいですよ。
――大・大混戦だった昨年よりは実力差が見えてきていると言えども、というところですね。
はい、ホークスが良い補強をしましたからね。