浦和社長「これを機会に生まれ変わる」 差別横断幕問題について謝罪
「良し悪しの判断がしっかりできていなかった」
再び起こったサポーターの問題行動だっただけに、淵田社長には厳しい質問が投げ掛けられた 【スポーツナビ】
これから運営に携わった管理者への処分を検討する必要があると思います。それから当該サポーターへの賠償請求は、現時点では考えておりません。
――社長がこの事件を認識したのは23:00ということだが、連絡が遅れてしまったことについては?
今年から有事が起きた時の緊急対策というものを作って、何かが起こったら緊急対策メンバーが集まって判断をしていくということをやっていたのですが、その意識が現場で低かったということだと思います。なぜ低かったかというと、私がしっかりフォローできていなかったからだと思います。今回の反省を踏まえて、意識面の問題とプロセス面でも問題がなかったのか。われわれ社内だけでなく、警備会社とのコミュニケーションの問題、警備会社の意識の問題、そういったものを含めてやっていく必要があるのかなと思っています。
――サポーターの影響力に対する配慮が遠慮になっていたのでは?
あります。遠慮というか、長年積み重なってきたルールというのが、われわれスタッフで良し悪しの判断がしっかりできていなかったと思います。
――無観客試合になっても、スタジアムの周りで応援するサポーターが出てくるのではないか?
今日、制裁の内容を聞いたばかりなので、そういう不測の事態も今後は対応していかないといけないと思います。
――ガンバ戦で指笛を吹かれた選手本人はそのことを認識しているのか。またクラブ側で何かフォローはしているのか?
何人かの選手に対してだと私は思っております。ただ認識しているかというと、認識している人もしていない人もいるかもしれないし。指笛があったという報告を受けて、次のホーム戦で体制を整えようということですから。(選手とのコミュニケーションは)強化のほうでしていると思うんですが、具体的にどこまでやっているのかはつかんでおりません。
――大原の練習場では、無観客試合に関して選手に質問しないように言われているという報告があった。そのようにした理由は何か?
すみません、私はそのことを聞いていないのでコメントを差し控えます。
――今の話も含めて、社長のところにさまざまな報告が届いていないように感じられる。社長に意志が現場の末端にまで届かないと変わっていかないのではないか?
そういう問題があったからこそ、私は今この場に来ていると認識していますので、これから直していきます。
「差別には毅然として対応していく」
選手がちょっとショックを受けているということは聞いていますので、その意味でちょっと(取材は)控えてほしいということではないかと想像しています。普通の状態であれば、それはいいと思います。
――そういった取材対応だと「隠蔽(いんぺい)したいのではないか」と捉えられるのではないか?
今日の段階で(選手が)かなりショックを受けているということは聞いておりましたので、そこの部分はいたわってあげたいという気持ちもあります。普通の状態に戻れば、普通に取材していただいても問題ないのではないかと思います。隠蔽するつもりはございません。
――具体的な方策がひとつもないように感じる。これでは今までの浦和と変わらないのではないか?
ここの資料に書いてありますように、クラブとサポーターとの関係を見直していくとか、差別には毅然として対応していくとか、そういう話になると思うんですけど。
――しかしサポーターの同意がないと横断幕は取れないルールだったのでは?
宣言しましたので、同意を取ることはしません。差別的なものに関して、われわれの判断が甘かったといわれればそれまでですけど、われわれの判断で不適切というものであれば(同意をとらずに)取ります。その前に、横断幕は当面の間は(スタジアムに)入れないでほしいと言っても、何かしらのはずみで出てくるかもしれませんが、そういったものは取っていきます。
――レッズの最大のスポンサーである三菱自動車へのダメージについては?
いろいろな意味で影響があるかなと思いますが、どれくらいの打撃かというと、ちょっと想像はできません。
<了>