浦和社長「これを機会に生まれ変わる」 差別横断幕問題について謝罪
「当該サポーターはすべて男性で20人程度」
8日の鳥栖戦で、横断幕や旗などを掲げ声援を送る浦和サポーター=埼玉スタジアム 【共同】
彼らにとって、ゴール裏は聖地であるので、自分たちでやっていきたい。要は他の人たちには入ってきてほしくないという意図があったようです。浦和の試合には海外の観光客のお客さんもいらっしゃるので、そうなると統制が取れなくなるから嫌だ、という言い方はしていました。われわれからは、これまでの問題など総合的に考えると、このようなものを張ったら、そう(=差別的だと)思われるのは当たり前だろうと伝えました。
それからいろいろな積み重ねで、クラブとサポーターとの間でルールができているという話だと思います。昔のことで私もよく分からない部分もあるんですが、そういった(横断幕を)外す外さないでもめたこともあったようです。本人の了承を得ずに外したときの混乱というものを考えると、ルールとして了解をとってからにしようというのは、慣習の積み上げでできていると思います。これからはこうしたルールを含め、われわれがある一定のコントロール下で、サポーターも自主的にやれるような形にできればいいと思います。
――当該サポーター3人は全員男性か? また彼らのグループは何人くらいか?
当該サポーターはすべて男性で、20人程度と聞いています。
――先ほどから「ごく一部の」という表現をよくおっしゃっているか、浦和は数年に一度こうした大きなトラブルを起こしている。トラブルが起こりやすい温床がゴール裏にあるのではないか?
そういうグループやサポーターが(ゴール裏に)紛れているのではないかという印象です。試合に来ていただければ分かりますが、そんなことをやっているわけでなくゲームに集中しているわけです。そういう人たちの意識の問題で、スタジアムが温床になっているわけではないと思っています。
――無観客試合となったことで、経済的なダメージはどれくらいあるのか?
細かい計算はできていませんが、かなりの金額になると思います。1試合なくなるわけですから。単純に計算していただけると、われわれは1枚のチケットが2500円平均だと思っていますので、それに平均の入場者数というのがベースかと思います。
――清水のサポーターのチケットの払い戻しは当然として、他に何か保障は?
個々の事象に応じて相談していきたいと思います。
――この次にホームゲームで差別的な横断幕が出たら、クラブとして撤去できるか?
します。
「今までは言葉だけだった」
根っこにあるのは、過去から積み重ねてきたサポーターのルールの問題にあったと思います。一定範囲で(クラブが)コントロール下に置けるかというルールづくりと、今まで「やるやる」と言っていた抑止的な部分。スポーツなので、できるだけ自主性に委ねるようにしていかないと思っているんですけど、今後はしっかり許可しながら進めていくと。今までは言葉だけだった部分も、今後はしっかりやっていくことを皆さんに宣言していきたいと思います。
――当該サポーターの処分を無期限入場禁止とした理由は? また横断幕の掲出禁止はいつまで続けるのか?
処分のレベルは、非常に重い処分だと思っていますし、それだけのことをしたんだという認識でいます。それと横断幕ですが、われわれは当面は禁止して、スタジアムの状況を見ながら、今後やろうとしているルールづくりがどこまで進められるのか、バランスをとってしっかりできるという自信が出てくれば。場合によっては段階的にということになるのかもしれないと思っています。
――今回の資料の表題が「横断幕掲出について」となっているが、「JAPANESE ONLY」だけなのか、それとも旭日旗も含むのか?
問題となった「JAPANESE ONLY」だけです。
――ゴール裏は迫力ある応援が魅力だが、こうした規制で持ち味がなくなるのでは?
ないとは言えません。それでも皆さんに分かっていただき、一から出直して応援していただければありがたいと思っています。コミュニケーションが大事だと思っています。
――当該サポーターたちから、謝罪なり反省の言葉はあるのか?
私は直接話していませんので。昨日の段階で謝罪的な話はあったという報告は受けております。
――警備員は問題の横断幕を認識していたそうだが、クラブ職員は見ていなかったのか?
クラブ職員で最初に認識できたのは17:09分です。今回は(警戒)レベルを上げてスタジアムを見て回ろうということでやっていたのですが、認識はできていませんでした。
――スポンサーに対しても大きなイメージダウンをさせてしまったが、スポンサーサイドから何か問い合わせは?
特にそうした話は聞いておりませんが、今日を含めてこのあとできるだけスポンサーやパートナーの方々に状況を説明しながら陳謝をしていきたいと思います。
――清水に社長からお詫びにいくことは?
もちろんエスパルスにはお詫びに行かないといけないと思っています。せっかく試合が計画されている中で、無観客ということに対して本当に申し訳ないと思っています。このインパクトは非常に大きいと思っていますけれど、無観客試合という非常に重い受け止めをしながらも、次ステップに進んで行けたらと思っています。