日本代表、「サプライズなし」の理由 15年W杯に向けたメンバー発表
エディーHCの一貫した選考基準
パナソニックを2冠に導いた田中史朗。日本代表でもリーダーの一人としてチームを引っ張る 【写真は共同】
攻撃ラグビーを標榜するエディー・ジャパンの戦術は、SHの横にFW前5人のタイトファイブ、SOの横にバックロー、インサイドCTBの周りにBKの選手を、攻撃が連続する中で配置し続ける「アタック・シェイプ」である。ただ選手が立つのではなく、3つのユニットを連動(リンケージと呼ぶ)させて、相手の組織ディフェンスを混乱させ、崩してトライを狙う。
そのため、ディシジョンメーカーである田中、日和佐篤(サントリー)らの9番、立川理道(クボタ)、田村優(NEC)、クレイグ・ウィング(神戸製鋼)らの10番と12番に新たな人材が選ばれなかったのも当然だ。ジョーンズHCは特に立川と田村に「判断を持って、パスもランもできる選手」と高評価を与えている。司令塔の一人、SO小野晃征(サントリー)は、今回は家庭の事情で選出されなかった。
「経験のない選手をW杯で起用することはない」
就任当初よりジョーンズHCは、「キャップ数」とインターナショナルレベルでプレーすることができるか、つまり“経験”を重んじてきた。「実力が突出していれば話は違います」と言いつつも、「今回のメンバーの多くが高い確率で(来年の)W杯に行けることを願っている。経験のない選手をW杯で起用することはない」と断言。よほど才能のある選手でない限り、現在のメンバーに割って入ることは難しい。