【グローリー】ボンヤスキーvs.ミルコは寂しい内容に…=キリアが予想を覆してライト級王座奪取
「必ずKO」と引退試合に臨んだボンヤスキーだが…
引退試合で、かつてK−1で戦い、同じジムで汗を流したこともある盟友ミルコとの一戦に臨んだボンヤスキー 【Glory Sports】
ミルコ・クロコップと引退試合を行ったレミー・ボンヤスキーはギリギリまで発言が控え目だった。内面で揺れる気持ちがあったのだろう。「試合を終わってみないことには今後のことは分からない」と継続を暗に含めた言い回しだったが、計量後には「これが引退試合。試合は必ずKO決着。引退後はボンヤスキー・アカデミーを設立したい」と口にした。2002年のK−1で両者は対戦しミルコに敗れたボンヤスキーにとってこれはリベンジ戦であり、引退試合。ボスジムに練習に来たミルコとはともにスパーリングし汗を流した仲だ。38歳同士、手の内は分かりすぎるほど分かっている。
ミルコの左ハイ、ボンヤスキーのフライングニー。この攻防の中でKOシーンが生まれると予想した人も多かっただろうが、内容は年齢相応のものだった。両者ハイ、ミドルを繰り出すものの、互いのローブローを含めてこれといった見せ場はなかった。結果は判定2−0でボンヤスキーが勝利も、これがキック選手としての引退試合なのかと思うと一抹の寂しさが残る内容だった。
ライト級王座戦、リスティが先にダウンを奪う
圧倒的不利の下馬評を覆して、ライト級王座に輝いたキリアは喜びの涙を見せた 【Glory Sports】
アンディ・リスティは昨年ニューヨーク大会で文句なしのKO劇を披露し、ライト級トーナメント覇者となった。そして今回未対戦のグルジア人ダビト・キリアとの間でタイトルマッチが組まれた。トーナメント制覇に続きタイトルマッチも己の手中にして、ライト級を完全制覇しようとリスティはやる気満々でクロアチアに乗り込んだ。ほぼ周囲の99%がリスティ勝利を予想した。
半身に構えながら前に出て圧力をかけ、左ジャブとヒザで威嚇するリスティ。対して真正面からパンチとバックスピンハイを繰り出すキリア。そして2R序盤にそれは起こった。パンチで中に入ろうとするキリアの頭を押さえたリスティは同時にひざを顔面にたたき込みダウンを奪う。この技はルシアン・カルビンのオリジナルで「ダンク」という。過去にアリスター・オーフレイムがバダ・ハリを同じ技で倒している。カルビンジムを離れ今はフリーとなったリスティの動きに脈々とカルビンの血流が残っている。畳み込むように試合を決めたかったリスティだがキリアも脅威の粘りを見せ、リスティにとって試合は泥沼へともつれこんでいった。
最終回、スタミナ切れのリスティにキリアが猛攻
2Rに「ダンク」と言われるひざ蹴りでダウンを奪ったリスティ。後半はスタミナ切れでKO負けを喫した 【Glory Sports】
3Rのトーナメントとは色彩の違うタイトルマッチ戦。従来のキックルールなので5Rにわたる戦略とスタミナが求められる。今大会で、リスティのスタミナ難は明らかとなった。そして、キリアと相性のいいロビン・ファン・ロスマレンは喜んでいる。負傷療養中のペトロシアンもキリアタイプは組みやすいだろう。この階級のタイトル変遷が激しくなりそうだ。
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