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ボンヤスキーvs.ミルコは寂しい内容に…
キリアが予想を覆してライト級王座奪取

「必ずKO」と引退試合に臨んだボンヤスキーだが…

引退試合で、かつてK−1で戦い、同じジムで汗を流したこともある盟友ミルコとの一戦に臨んだボンヤスキー
引退試合で、かつてK−1で戦い、同じジムで汗を流したこともある盟友ミルコとの一戦に臨んだボンヤスキー【Glory Sports】

 現地時間3月8日、クロアチアで行われた「グローリー14」の目玉は大きく3つあった。一つはレミー・ボンヤスキーの引退試合。一つは85kgミドル級のトーナメント。そしてもう一つが初王者を決めるライト級でのタイトルマッチだった。


 ミルコ・クロコップと引退試合を行ったレミー・ボンヤスキーはギリギリまで発言が控え目だった。内面で揺れる気持ちがあったのだろう。「試合を終わってみないことには今後のことは分からない」と継続を暗に含めた言い回しだったが、計量後には「これが引退試合。試合は必ずKO決着。引退後はボンヤスキー・アカデミーを設立したい」と口にした。2002年のK−1で両者は対戦しミルコに敗れたボンヤスキーにとってこれはリベンジ戦であり、引退試合。ボスジムに練習に来たミルコとはともにスパーリングし汗を流した仲だ。38歳同士、手の内は分かりすぎるほど分かっている。


 ミルコの左ハイ、ボンヤスキーのフライングニー。この攻防の中でKOシーンが生まれると予想した人も多かっただろうが、内容は年齢相応のものだった。両者ハイ、ミドルを繰り出すものの、互いのローブローを含めてこれといった見せ場はなかった。結果は判定2−0でボンヤスキーが勝利も、これがキック選手としての引退試合なのかと思うと一抹の寂しさが残る内容だった。

ライト級王座戦、リスティが先にダウンを奪う

圧倒的不利の下馬評を覆して、ライト級王座に輝いたキリアは喜びの涙を見せた
圧倒的不利の下馬評を覆して、ライト級王座に輝いたキリアは喜びの涙を見せた【Glory Sports】

 この2年間、グローリーはトーナメント戦とスーパーファイトを繰り広げながらランキング整備を着々と進めてきた。そしていよいよ今回グローリー初の世界王者を決める試合がライト級から開始されるのだ。

 アンディ・リスティは昨年ニューヨーク大会で文句なしのKO劇を披露し、ライト級トーナメント覇者となった。そして今回未対戦のグルジア人ダビト・キリアとの間でタイトルマッチが組まれた。トーナメント制覇に続きタイトルマッチも己の手中にして、ライト級を完全制覇しようとリスティはやる気満々でクロアチアに乗り込んだ。ほぼ周囲の99%がリスティ勝利を予想した。


 半身に構えながら前に出て圧力をかけ、左ジャブとヒザで威嚇するリスティ。対して真正面からパンチとバックスピンハイを繰り出すキリア。そして2R序盤にそれは起こった。パンチで中に入ろうとするキリアの頭を押さえたリスティは同時にひざを顔面にたたき込みダウンを奪う。この技はルシアン・カルビンのオリジナルで「ダンク」という。過去にアリスター・オーフレイムがバダ・ハリを同じ技で倒している。カルビンジムを離れ今はフリーとなったリスティの動きに脈々とカルビンの血流が残っている。畳み込むように試合を決めたかったリスティだがキリアも脅威の粘りを見せ、リスティにとって試合は泥沼へともつれこんでいった。

最終回、スタミナ切れのリスティにキリアが猛攻

2Rに「ダンク」と言われるひざ蹴りでダウンを奪ったリスティ。後半はスタミナ切れでKO負けを喫した
2Rに「ダンク」と言われるひざ蹴りでダウンを奪ったリスティ。後半はスタミナ切れでKO負けを喫した【Glory Sports】

 中盤から終盤にかけてキリアは休むことなくパンチを繰り出し前に出続け、前蹴りを何度も当てた。時に飛び道具のバックスピンハイを混ぜた。序盤でダウンを奪ったリスティのどこかに油断が生じていた気配がある。真っすぐでひたむきなキリアの攻撃に、リスティは徐々にスタミナを失った。そして最終5ラウンドにキリアのパンチにつかまり、立て続けに3ダウンを喫し、大の字にリングに倒れて天井を仰いだ。まるでニューヨーク大会でのジョルジオ・ペトロシアンと同じ姿だった。まさに大逆転劇で初代ライト級王者に輝いたキリアはリング上で号泣した。


 3Rのトーナメントとは色彩の違うタイトルマッチ戦。従来のキックルールなので5Rにわたる戦略とスタミナが求められる。今大会で、リスティのスタミナ難は明らかとなった。そして、キリアと相性のいいロビン・ファン・ロスマレンは喜んでいる。負傷療養中のペトロシアンもキリアタイプは組みやすいだろう。この階級のタイトル変遷が激しくなりそうだ。


次ページにグローリー14クロアチア大会の試合結果・戦評

遠藤文康

スポナビDo

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