バレンティン、本塁打減も三冠王!?=飯田哲也氏「逮捕騒動も問題なし」

構成:スポーツナビ

今オフの逮捕騒動の影響が気になるバレンティンに、昨年までヤクルトのコーチを務めていた飯田哲也氏が迫る 【写真は共同】

 東京ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティンが米国フロリダ州で逮捕……プロ野球ファンにとって衝撃のニュースが飛び込んできたのは今年の1月だった。離婚協議中の妻への暴行、監禁の疑いで逮捕され、保釈金の支払いと妻への接触制限を条件に保釈され、無事2月1日のキャンプインには間に合った。しかし、ファンとしてはキャンプ直前の1月での騒動で、バレンティンのコンディションが心配となってしまうのは致し方ないだろう。果たしてバレンティンの今季は大丈夫なのか? 昨年まで3年間東京ヤクルトの守備走塁コーチを務め、バレンティンを指導してきたプロ野球解説者・飯田哲也氏に話を聞いた。

逮捕騒動も全然変わらぬ体格でキャンプイン

――キャンプでのバレンティンの様子を聞く前に、まず飯田さんが昨年まで側で見ていたバレンティン選手の特長は何だったでしょうか?

 ストライクゾーンで勝負してくれるんだったらオレは打つ自信があるよっていう感じでしたね。バレンティンはすごい気持ちの波が激しいんですけど、昨年の場合はことごとくストライクゾーンのミスショットが少なくてあれだけホームランを打てた、その“集中力”は特にすごかったですね。

――では、実際ご覧になったバレンティンの調整具合はいかがでしたか?

 僕がキャンプを訪れたのは第2クールの終わりぐらいでした。本人にいろいろ問題(1月の逮捕騒動)があってどうかなぁと思って見に行ったんですけど、本人はいたって陽気で、通訳の人を交えて話をしたら、「やっぱりあのような問題があって、今年やらなければいけないという責任感はある」っていう話でしたね。

――調整の遅れは感じなかったですか?

(きっぱりと)全く問題ないです。遅れとか全然感じなかったです。バレンティンぐらいになったらそうは影響しないと思いますよ。太っているわけでもなく、いつものバレンティンと同じでした。

――11月の凱旋パレードやオフ期間の行事などでトレーニングができているか不安な面もありましたが?

 本人は「トレーニングはしっかりしていた」と言っていました。やはり行事がたくさんあったといっても、仕事が野球なわけで、本人もいろいろな行事の合間にトレーニングは怠らないと思いますよ。体格が昨年のこの時期と変わってなかったのも、それを証明していると思いますね。

ファースト転向はあくまで保険

――このキャンプでファースト転向案も出ていますが?

 そんなに本気で思っていないんじゃないでしょうか。実際はそこまで本格的にやっているわけではなく、(小川淳司)監督にも聞きましたけど、あくまで保険というか、そういうことも考えられるよ、という話だと思います。
 例えば試合終盤に畠山(和洋)が出塁して上田(剛史)が代走で出て、そのまま上田を外野に入れてバレンティンがファーストに来るというのはあると思いますが、先発からバレンティンがファーストというのはそうないんじゃないかなと思いますよ。

――現役時代はゴールデングラブ賞7度と外野守備の名手だった飯田さんが見るバレンティン選手の外野守備はいかがですか?

 集中しているときはすごい良いプレーをするんですけど、集中力が散漫なときはボーンヘッドもありますし……。やればうまいんですけどね。あとは気持ちだけですね。守っている最中にバッティングの格好をしているときとか、凡打した次のイニングの守備にいくときは注意しなければいけないですね。集中力が切れそうだったら、「守備でもやれることはやっておいてくれよ」とは注意していました。バックアップにしてもミスが起きてからじゃ遅いから、その前に止めとかないとダメだよって。

――ファーストの方が守備の負担が減るのではと思ったりしますが?

 いやいや、ファーストは相当集中しないといけないですから、外野の方が身体の負担はないと思いますよ。このままレフトだったり、ライトだったり守らせた方がバッティングにも良いと思います。

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