2度同点も…バタついてしまった守備=アイスホッケー元女子代表監督が解説
開催国ロシアと競り合った日本。意気込みは十分出ていたが……。写真はロシア選手と競り合う竹内愛奈(右) 【写真:ロイター/アフロ】
第1ピリオドに先制を許したものの、第2ピリオドに山根朋恵、床亜矢可のゴールで同点に追いついた日本。しかし再び失点を喫し、数的不利の状況でもゴールを奪われるなど、競り合いながらも勝ち越すことができなかった。日本は現地18日の7−8位決定戦にまわり、ドイツと対戦する。
2度同点に追い付くも、今大会最多の6失点を許してしまったこの試合。五輪での白星を目指して、見直すべきポイントはどこか。元女子日本代表監督で、女子チームの強豪SEIBUプリンセスラビッツを率いる八反田孝行監督に聞いた。
意気込みがかえって……
立ち上がりは今日もまた押し込まれてはいましたが、それでもチャンスらしいチャンスはつくらせず、我慢していました。中盤まで相手ペースでしたが、中盤以降は盛り返して、日本もアタッキングゾーンでチャンスをつくりました。しかしながら、ディフェンスゾーンでのブレイクアウトのミスからミドルシュートで失点してしまうなど、攻撃と守備がちぐはくでした。得点を取って、これからというところで。とにかくゲーム運びが何かちぐはぐでした。
ただ疲れというのは見えず、足も動いていたし、気持ちも入っていましたが、ロシアの勢いに対して押されてしまったというか。守備面は、前回の対戦(予選第2戦)は落ち着いてプレーできていましたが、今日は確実性のあるプレーができず、この試合への意気込みが、かえってプレーの繊細さを欠いてしまったのかもしれません。相手に対してのやる気、意気込みと慎重さが悪い方にいってしまった。
機能していた平野からの攻撃
ただ、勝つには、久保のセットがもっと点を取らないと勝てないですね。“たられば”になってしまいますが、それがあればもっと違った展開に持っていけたと思います。打ち合いになると日本は分が悪いです。
相手のロシアもミスをしていて、流れがロシアにいきかけたときに、第2ピリオドで日本は得点を取りました。そこで一気にいければ良かったのですが。
「心は熱く、頭は冷静に」 守備の見つめ直しを
最後のドイツ戦(7−8位決定戦)に勝ってこれからにつながる試合をしてもらえればと思います。もう一度自分たちの特長を見つめ直して、「心は熱く、頭は冷静に」。日本らしい速さ、粘り強さを発揮して活路を見いだしてほしいと思います。
<了>
八反田孝行
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