Krush63Kg級王者・山崎がキック五冠王をKO

長谷川亮

キック五冠王モハメドをマットに沈めメーンを締めたKrush63kg級王者・山崎 【t.SAKUMA】

 1週間前に続いての大雪が再び舞う14日、立ち技格闘技「Krush.38」が東京・後楽園ホールで開催された。今大会にはKrush−63kg級王者・山崎秀晃、Krush−60kg級王者・板橋寛、そしてISKA世界バンタム級王者・寺戸伸近という3王者がスーパーファイトで揃い踏み。持ち味を発揮してのKO、新鋭に粘られての苦闘、大会ベストバウト級の激闘と、それぞれに熱戦を繰り広げた。

変則技を多用するモハメドを左フックで仕留める

変則的なファイトスタイルに手こずりながらもしっかりKO 【t.SAKUMA】

 メインに登場した山崎はチュニジア出身でフランスを主戦場にするキック5冠王、モハメド・ギャラウィーと対戦。後ろ回し蹴り、跳びヒザ、バックブローと変則技を多用するモハメドを攻めあぐねたが、“ゴールデンフィスト”といわれる強打はこの日も冴え渡り、2Rに連打で一気に攻勢へ移ると最後は左フックを打ち込み、モハメドをマットに沈めてノックアウトした。

梶原が引退セレモニーで格闘技に感謝

師匠の前田憲作会長から花束が贈られ涙 【t.SAKUMA】

 第5回K−1甲子園王者・小川翔を迎え撃った板橋は、馬力を活かして前に出てローキック、接近戦でヒザを見舞う小川に苦戦。前に来る小川に“高速レフティ”の異名通りパンチを入れてグラつかせ、小川のつかみによる減点もあり判定勝ちを収めたが、快勝とはならなかった。

 2年連続でKrushの年間最高試合賞を受賞している寺戸は、この日も激闘を展開。鈴木優也に劣勢で2R中盤を迎えたが、ここで勝負強さを見せ顔面跳びヒザを決めダウンを奪取。3Rにもローと左右ストレートでダウンを追加して鈴木を振り切り、名勝負男に恥じない内容でこの日も勝利した。

 また、この日は初代Krush−63kg級王者として活躍した“歌舞伎龍”梶原龍児の引退セレモニーを実施。人生の軌道修正ができたと格闘技に感謝し、指導者としての今後を自身の「第2ステージ」ととらえて奮闘を近い、現役生活に別れを告げた。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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