元ムエタイ王者・石井宏樹がゲーオにKO敗=アンディ・サワーがまさかの判定負け

長谷川亮

2R、ゲーオのハイキックで大の字にダウン

2Rにゲーオ(右)の左ハイキックが決まり、石井は大の字にダウン 【t.SAKUMA】

 キックボクシングで名選手として活躍した小野寺力が会長を務めるRIKIXの10周年記念興行「NO KICK、NO LIFE 2014」が11日、東京・大田区総合体育館で開催された。

 メインイベントでは、この試合を最後に現役引退を表明している石井宏樹が登場。山本元気、梅野源治ら強豪をことごとく降し、対日本人無敗を誇るゲーオ・フェアテックスと対戦した。タイ人以外の外国人で初めてムエタイ王座(元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーライト級王者)の防衛を成功させた石井が、日本最後の砦としてゲーオに挑んだ。

 試合が始まり、ゲーオに体格差を感じさせた石井だが、サウスポーのゲーオは石井が放つ右ミドルを空振りさせ距離感を掴ませない。逆に自身は左ミドル、左インローをテンポよく決め、序盤からリズムを掴む。そして石井に左クロスを打ち込むと先制のダウンを奪取。
 2Rが始まってもゲーオは石井を手玉に取るように左ミドル、左ローと当て、そして左ハイを直撃させると、石井は大きく後方へ飛び大の字にダウン。レフェリーはすぐさまノックアウトを宣告し、ゲーオは試合に懸けられたWPMF世界スーパーライト級王座のベルトを腰にした。

サワーの攻めを分断した緑川が大金星

K−1 MAXを2度制したアンディ・サワー(右)が緑川の前に判定1−2で敗れた 【t.SAKUMA】

 ヒジなしルールで行われたセミファイナルでは新日本キックボクシング・ウェルター級王者の緑川創がK−1 MAXを2度制したアンディ・サワーを判定2−1(50−48、48−50、50−47)で破る大金星を挙げた。

 緑川は前蹴りを中心に、コンビネーションでも応戦して相手の攻めを分断してリズムに乗せなかった。対してサワーはどこかチグハグな印象で、跳びヒザなどを見せるが当たらず、連打に入っても緑川に組み止められた。ヒジなしルールが初めてだったという緑川が番狂わせを起こした。

“日本の至宝”梅野がムエタイ爆撃機を切り裂く

ヒジで“ムエタイ爆撃機”の異名を取るポンサネーを切り裂いた梅野 【t.SAKUMA】

 第8試合には“日本ムエタイ界の至宝”と呼ばれる梅野源治が登場。攻撃的なスタイルで判定決着の多いムエタイにおいて高いKO率を誇り、“ムエタイ爆撃機”の異名を取るポンサネー・シットモンチャイと対戦した。

 初回からヒジを当てポンサネーをカットした梅野は、左右フックを振り強烈なローを蹴りつけるポンサネーと一進一退の攻防となるが、3Rには縦ヒジを突き上げ、これでダメージを与えると攻勢を強め、左ミドル、顔面前蹴り、ジャブと連続でヒット。さらにヒジでも追撃すると、遂に3度目となるドクターチェックで試合がストップ(4R0分48秒)。昨年9月ゲーオに挑み玉砕した梅野だが、今後に期待を高める勝利となった。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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