UFC、愛弟子・堀口、そして自分――山本“KID”徳郁独占インタビュー

長谷川亮

知識が増えた分、今の方がケガの回復が早い

「今年は2試合はしたい」と復活を目指すKIDは2月1日からスパーリングを開始した 【長谷川亮】

――KID選手ご自身の試合に関してはいかがしょう。

 まだいつかは分からないけど今年はやります。負けてるから、「1回小さい試合をやってから来い」ぐらいでもいいなと思ったんですけど、逆にあっち(=UFC)が「いつやるんだ?」みたいに言ってくれてるのでうれしいですよね。なんか悪いなって(苦笑)。

――KID選手はもうじき37歳になりますが、年齢を感じたりすることはないですか?

 昔の方がケガの回復が悪かったです。歳をとるたびに知識が増えて、今はケガの回復を早くする知識があるから、今の方が全然回復は早いです。でもそれも秘密(笑)。知りたかったらジムに来て会員になったら教えるので、ジムに来てください(笑)。

――そういった回復法というのは堀口選手も実践しているのですか?

 みんな知ってます。ビックリするぐらい身体が変わりますよ。俺なんかケガでもう練習なんて頭になくて、生活ちゃんとできるのかなぐらいだったんですけど、そういう知識をちゃんと覚えれば全然大丈夫です。

――“KID流回復術”といったところでしょうか。

 そうっすね、“KRAZY BEE流”っていうか。ひとり朴光哲っていうマニアがいるんです(笑)。朴はもうマニアっていうか仙人です(笑)。みんな朴の食事とかケアの知識を聞いて、違いますね。うちはトレーナーがいないから、そうやってみんなで知識を出し合ってやってます。若い奴にも聞いて、歳に関係なくいいものはいいから。

1回握力が8kgまで落ちるも…

――では朴仙人のそうしたエッセンスが入った新生KID選手の活躍が楽しみです。

 ダメですよ、朴に電話して聞いたりしたら(笑)。でも昔は身体が強かった、っていうか強さだけで行っていたけど、今はうまさに変えていく時期かなと思ってます。昔は身体の使い方とか、全くそんなの気にしてなかった。でも、それでできていた。今はそれを意識するようになったから良かったのかなって。1回ゼロじゃないけど、何もできなくなっちゃうと見るじゃないですか。自分がどうやってきたか、何がいいかとか。そうやって研究したり考えるようになってきました。

――それだけ身体の状態が悪かったというのはいつの話なんですか?

 時期的にはもうUFCに出る時ぐらいはヤバかったですね。1回握力が8kgぐらいに落ちた時もありました。それで手術をして。握力が8kgだとペットボトルも持てないんです。それぐらいまで行って、でもそういうのがあったから今はちゃんと身体のことも考えるし。

――現在は練習も再開を?

 昨日(2月1日)やっとスパーができるようになって、7、8カ月ぶりで初めて3Rやりました。やっぱりスタミナはなかったけど、身体の使い方は分かってきたから「いいんだな、これで」みたいな。パンチもバンバン当てられたし、あとはスタミナだけです。

――ではここから復帰に向けて本格始動と。

 今年はやります。2回は出たいので、2回出たいって言うからには次勝たないと。日本大会があるなら日本も出たいし。

――ではケガを乗り越え、KID選手の復帰・復活を待っています。

 昨日やった感じも良かったし楽しみです。全然パンチをもらっても大丈夫だったし、何カ月ぶりかでパンチをもらったから、なんかちょっとうれしかった(笑)。次出る時は完璧に仕上げて、絶対勝つんでお願いします。

◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆

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ロンダ・ラウジーとサラ・マクマンによる女子バンタム級の全勝対決が実現!
2月23日(日)午後0:00〜[WOWOWプライム]※生中継
ゲスト:石垣佑磨(俳優)

<主な対戦カード>
<女子バンタム級タイトルマッチ>
[王者]ロンダ・ラウジー
[挑戦者]サラ・マクマン

<ライト級>
ルスタム・ハビロフ
ハファエル・ドス・アンジョス

<ウェルター級>
デミアン・マイア
ローリー・マクドナルド

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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