ラドワンスカ、4強入り引き寄せた集中力=全豪オープンテニス

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ラドワンスカ、勝利の鍵は第1セット

3連覇を狙ったアザレンカを破ったラドワンスカ。準決勝へ大きな自信をつかむ試合となった 【Getty Images】

 全豪オープンテニスの第10日は、男女とも準々決勝ならではの好試合が続いた。

 女子の第5シードのアグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド)が挑んだのは、第2シードで、3連覇を狙ったビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)。これまでの対戦成績はアザレンカの12勝3敗で、最近では7連勝を収めている。2012年の全豪オープンでの対戦も、アザレンカが第1セットを奪われながらも逆転勝ちした。
 一方のラドワンスカは、技術的に今、最も卓越したプレーヤーと言っていいだろう。問題は、大舞台でそれを最後まで発揮できるスタミナがないこと。そのため、ラドワンスカにとって、第1セットを奪うのは勝利への絶対条件だった。

 この日最初のゲームでは、そのラドワンスカが上々の立ち上がりを見せる。力みのないしなやかなストロークで、左右へ、さらに浅く深く、ラインを探るようにアザレンカを誘導していった。続く第2ゲームも、ラドワンスカがいきなりブレーク。唸り声をあげて力む女王をたおやかにいなし、そうかと思えば強烈なパッシングショットで脇を抜く。

 第1セットの数字は、ラドワンスカのトータルポイントが30、ウィナーが2、アンフォースドエラー(凡ミス)が3だった。一方のアザレンカは、それぞれ17、10、17。フォースドエラー(強いられたミス)がラドワンスカ4に対しアザレンカ11という記録は、確かに試合の流れを表していた。

思い描いた通りの展開で大きな自信に

 ラドワンスカの問題はここからだ。パワー不足はフリーポイントが少ないことを意味している。明らかな体力差で逆転される危険性が高いことは、両者とも重々承知のことだろう。

 第2セットの立ち上がりは激しい攻防になった。第1ゲームでアザレンカが4度のジュースの末に、3本のブレークポイントをしのぐと、第2ゲームはラドワンスカが4度のジュースでブレークポイント2本を凌いだ。アザレンカは3連覇を狙って準備をしてきただけある。第5ゲーム、ダブルフォールト2本でブレークされても気持ちの切り替えができていた。続く第6ゲームから連続8ポイントを奪って強引に4−3に引き戻すと、6−5からの第12ゲームをラブゲームでブレークして、第2セットを奪った。

 全豪オープンで3年連続ベスト8のラドワンスカは、期すものがあったのだろう。ファイナルセットに入っても、高い集中力を維持していた。アザレンカの強烈なショットを冷静かつ粘り強くコントロールしながら、意表を突くパッシング、ロブ、ドロップショットを飛ばして揺さぶった。アザレンカの自信が揺らいだか、第1ゲームで40−15から、第3ゲームではラブゲームで、そして第5ゲームでのネットに詰めてのブレークは、いずれもダブルフォールト絡みだった。

 ラドワンスカにとって、6−1、5−7、6−0での勝利は、思い描いた通りの展開だろう。シモーナ・ハレップ(ルーマニア)をストレートで破ったドミニカ・チブルコワ(スロバキア)との準決勝に、大きな自信を得たはずだ。

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