村井氏「すべてを懸けて頑張りたい」 大東チェアマン 退任会見
退任を発表した大東チェアマン(左)。後任に内定した村井氏も登壇し、決意を語った 【写真は共同】
村井氏はプロ選手やクラブ運営の経験はなく、株式会社日本リクルートセンター(現株式会社リクルートホールディングス)執行役員や株式会社リクルートエイブリック(現株式会社リクルートキャリア)代表取締役社長などを歴任。13年12月にグループ会社のRGF Hong Kong Limited会長を退任していた。08年7月からJリーグ理事を3期務めている。
大東チェアマンは「Jリーグが飛躍を遂げるためにも『人材育成』と『アジア展開』は大きな課題。いずれの課題も時間を掛けて取り組む必要があり、新しい体制で課題にチャレンジしてほしいと考えた」と、退任に至った理由を説明。村井氏も「Jリーガーでもなくて、クラブの経験もない私を選ぶJリーグのオープンさ、懐の深さにただ驚いております。命を賭して、人生を懸けてでもお受けしようと思った次第です」と決意を語った。
「人材育成」と「アジア展開」を考えた適任者
大東和美(現Jリーグ/チェアマン)
村井満(現Jリーグ理事)
大東 この度、私、大東和美は、2010年の7月から約3年半にわたってJリーグのチェアマンを務めてきましたが、この1月をもって、チェアマンの職を辞し村井満さんにその職を引き継ぐことに致しました。本件は1月31日に開催する社員総会および臨時理事会において正式決定となります。
Jリーグ百年構想の着実な実現に向け、今後も色々な課題がめじろ押しです。中でも「人材育成」、「アジア展開」はJリーグがさらに飛躍を遂げるためにも、特に大きな課題であると認識しています。
「人材育成」の重要性は言うまでもありません。クラブ経営の質の向上を図ること、いわゆる“クラブ力”の向上のために人材教育を徹底し、質の高い人材を確保することが急務となっています。クラブの規模を拡大するためには、質の高いプレーをお見せし、入場者数を増加させることが基本であることは周知の通りですが、リーグが飛躍的に成長し、真のビッグクラブを誕生させるために、「アジア展開」の持つ意味はますます大きくなると考えています。
いずれの課題も、達成するためには、少し時間を掛けて取り組む必要があります。そのため、今回を機に後任者にチェアマンの職を譲り、新しい体制で課題にチャレンジしてほしいとの判断に至りました。
後任のチェアマン候補として、村井満さんを紹介したいと思います。村井さんは、クラブ経営や本格的なサッカーのプレー経験はありませんが、過去3期にわたり、Jリーグの理事を務められ、熱烈なJリーグファンであるともに、リーグの業務に対する理解を十分にお持ちの方です。若くてバイタリティーがあり、人格も中立公正。Jリーグのリーダーにふさわしい人間であり、先ほど申し上げました「人材育成」、「アジア展開」などのキーワードを考慮すると、これ以上の適任者はいないと考えました。
方針を示しベクトルをそろえる
30年間ビジネスをやってきて、トップがしっかりとした方針を示し、従業員に、お客様にそれを伝えて、オープンに話をしてベクトルをそろえることができれば、力を発揮すると確信を持っています。私が一人でできるものではないけど、Jリーグ51クラブのトップの皆さん、サポーター、スポンサー、Jリーグの従業員といった人たちの総意を結集していけるか、というのが今の私の総決算になると思います。
一番共鳴しているのはJリーグの理念。豊かなスポーツ文化を広めていくということにすべてのベクトルを合わせていきたいと考えています。私は戦術論に口をはさむ立場ではありませんが、日本人はどこにいっても誠実に働くというのを見てきました。フェアに全力で観客を魅了するようなプレーができれば、もっともっと観客も増えてくる。それを信じてサッカーのためにすべてを懸けて頑張りたい。その結果、Jリーグの理念を大きくリードしていきたいというふうに考えています。これからよろしくお願い致します。