若き王者対決は20歳の志朗に軍配=新日本キック結果詳報

長谷川亮

外敵・宮元を下した新日本キック王者の志朗 【t.SAKUMA】

 新日本キックボクシングの2014年新春第一弾大会『WINNERS 2014』が12日、東京・後楽園ホールで開催された。

 今大会のダブルメインイベント第1試合では20歳の志朗(治政館/ランシットスタジアム認定インターナショナルバンタム級王者)と21歳の宮元啓介(橋本道場/WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王者、INNOVATIONスーパーバンタム級王者)という、2人の若きチャンピオン対決が実現。ムエタイをベースにする志朗と空手出身の宮元、新日本キックとINNOVATIONを代表する2人が5Rをフルに使っての熱戦を繰り広げた。

王者対決は5Rをフルに使っての熱戦に

20歳・志朗と21歳・宮元の王者対決は5Rの熱戦に 【t.SAKUMA】

“爆腕”大月晴明がセコンドにつく志朗は、宮元のプレッシャーを受けロープ・コーナーを背負わされるも着実に右ローを当てていく。一方、宮元もローを返し、出自である空手を生かしたハイキック、後ろ回し蹴りと見舞うが、志朗はロー以外の大技を当てさせない。

 2Rも宮元が志朗をロープ・コーナーに詰めるが、志朗は右ローのヒットで宮元の意識を落として右ストレート。積極性とハイキックなどの大技で印象では宮元が勝るが、的確性はローとストレートの志朗が上回る。

 試合は3R以降もローと右ストレートを浴びながらも前に出た宮元が志朗にプレッシャーを与える展開に。ヒット数で上回り志朗がラウンドを制して終えんとしても、宮元は終盤に跳びヒザ、後ろ回しと印象を挽回してラウンドを終える(4R)。

 最終5Rはスタミナと気迫で勝った宮元が組み合いからのヒザ連打で志朗を削り、胴回し回転蹴りの大技も複数回見せ試合を終了。

 フルラウンドの熱闘を展開した2人であったが、ジャッジは攻撃と防御の的確性を支持して3−0(49−47、49−48、49−48)で志朗。ホームの新日本キックでINNOVATIONからの外敵・宮元を下し、若き王者対決を制した。

18歳の日本王者・重森はドロー

 この日はほかにも10戦無敗(8勝2分)18歳の日本バンタム級王者・重森陽太も参戦し、こちらは17歳のUKF日本フライ級王者ユウ・ウォーワンチャイ(大田原友亮)と10代の王者対決。177cmというバンタム級離れした長身から上下の前蹴り、左右ストレートで攻めんとした重森だが、これにユウは堅固なブロックでヒットを与えず、左ミドル主体で応戦する。試合は3Rでは短いと感じさせる一進一退の攻防の末、三者三様1−1(29−29、30−29、29−30)のドロー。志朗、重森と新日本キック勢揃っての勝利はならなかったが、すでに団体エースといって過言ではない23歳の江幡ツインズと並び、新日本キックにおける若き力の充実を印象づけた。

 また、この日のダブルメーンイベント第2試合には東洋スーパーフェザー級王者・蘇我英樹が登場。韓国ムエタイ協会フェザー級王者ファン・チャンファンと対戦し早くからローを効かせたが、チャンファンの試合を投げない粘りにあってKOを逃し、判定勝ちに終わった。

 そのほか、大会の全試合結果は以下の通り。

■新日本キックボクシング 「WINNERS 2014」
1月12日 東京・後楽園ホール

<ダブルメーンイベント(第14試合) 日韓国際戦 60kg契約 3分5R
○蘇我英樹(市原/東洋スーパーフェザー級王者)
(判定3−0)
●ファン・チャンファン(韓国/韓国ムエタイ協会フェザー級王者)
※3者50−46

<ダブルメーンイベント(第13試合) 54kg契約 3分5R>
○志朗(治政館/ランシットスタジアム認定インターナショナル・バンタム級王者)
(判定3−0)
宮元啓介(橋本道場/WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王者、INNOVATIONスーパーバンタム級王者)
※49−47、49−48、49−48

<セミファイナル(第12試合) 日タイ国際戦 63垠戚鵝。格3R>
○石井達也(藤本/日本ライト級王者)
(判定3−0)
●ワチャラレック・オークワンムァング(タイ/ルンピニースタジアム認定スーパーライト級6位、ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級9位)
※3者29−28

<セミファイナル(第11試合) 54.5kg契約 3分3R>
△重森陽太(伊原道場稲城支部/日本バンタム級王者)
(判定ドロー)
△ユウ・ウォーワンチャイ(=大田原友亮/B−FAMILY NEO/UKF日本フライ級王者)
※29−29、30−29(重森)、30−29(ユウ)

<第10試合 日タイ国際戦 73kg契約 3分3R>
○斗吾(とうご/伊原道場/日本ミドル級2位)
(3R1分20秒 KO)
●クンタップ・ジャルンチャイ(タイ/元WMC世界ウェルター級王者)

<第9試合 58kg契約 3分3R>
○拳士浪(治政館/日本フェザー級3位)
(判定3−0)
●葵拳士郎(マイウェイ/INNOVATION日本スーパーフェザー級5位)
※3者30−29

<第8試合 日刊国際線 59kg契約 3分3R>
○TATSURO(ビクトリー/日本フェザー級5位)
(判定3−0)
●呉 相林(韓国/韓国釜山CKG6位)
※3者30−27

<第7試合 53.5kg契約 3分3R>
○HIROYUKI(藤本/日本フライ級1位)
(判定3−0)
●金山幸太(アツキムエタイ)
※30−25、30−25、30−23

<第6試合 日本フライ級 3分3R>
○泰史(伊原道場/日本フライ級2位)
(2R2分41秒 KO)
●悠斗(東京町田金子/NJKFフライ級3位)

<第5試合 日本バンタム級 3分3R>
○瀧澤博人(ビクトリー)
(2R2分54秒 TKO)
●古岡大八(藤本/日本バンタム級3位)

<第4試合 日本フェザー級 3分3R>
○大河原誠也(ビクトリー/日本フェザー級10位)
(2R2分36秒 TKO)
●三木雄亮(治政館/日本フェザー級8位)

<第3試合 日本ライト級 3分2R>
○興之介(治政館)
(判定3−0)
●増田侑也(マイウェイ)
※3者20−19

<第2試合 日本フェザー級 3分2R>
○櫓木淳平(ビクトリー)
(判定3−0)
●布施木将人(藤本)
※3者20−19

<第1試合 日本ヘビー級 3分2R>
△クリスモシヤ(宮川道場)
(判定ドロー)
△怒火鞭(どかべん/MTOONG)
※20−20、20−19(クリス)、20−20
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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