マイケル・チャンを迎えた錦織圭に注目=杉山愛コラム「愛’s EYE」
マイケルは錦織に足りないものを伝えてくれる
錦織は今季、マイケル・チャン氏をコーチに迎え入れた。全仏王者の教えを胸にトップ10入りを目指す 【写真:AP/アフロ】
アンディ・マレー(英国)にとってのイワン・レンドル氏(旧チェコスロバキア)のように、自分自身でグランドスラムタイトルを取っているコーチは、そこに行った人にしか分からない何かを選手に伝えてくれます。例えば緊張する状況への対処の仕方にしても、彼らは何か特別なスキルとしてそれを持っているのだと思います。マイケルも今の錦織選手に足りないものを分析し、伝えてくれるはずです。
錦織選手本人が前から言っているように、トップ10に1度入ればいいのではなく、そこに居続けられる選手になることが大切です。もちろん、それには相当なハードワークと強い気持ちが大切なのですが、コーチのマイケルも1つの答えを持っているように思います。
しかも彼は押しつけるのではなく、錦織選手と同じ目線でアドバイスをしてくれるパートナーになると思います。私も彼の愛情を受け、彼の力を借りた選手の一人です。選手時代、マイケルは「一緒に練習しよう」と誘ってくれたり、「これを使ってみれば」とラケットをくれたり、親身になって面倒を見てくれました。本当に面倒見がいいんです。マイケルの心のピュアさと、錦織選手のピュアさが私には同じものに感じられるので、すごくいいコンビになると見ています。
すぐに結果は出なかったとしても、シーズンをトータルで見たときには、マイナス要素は見つかりません。
クルム伊達は気持ちを整理できれば
クルム伊達選手は「チャレンジ」という言葉を使いますが、ツアーは本当に過酷な世界で、やるべきことが山積みです。だからこそモチベーションがすごく重要な要素になります。このオフの間に、頭と気持ちがどれだけ整理できたか。体のコンディショニングやピーキングに関しては、誰よりも上手に調整できる選手ですから、そこが整理できれば、問題なく好スタートが切れると思いますし、今シーズンも活躍の年になると思います。
森田あゆみ(キヤノン)、奈良くるみ(大阪産業大)、土居美咲(ミキハウス)の若手3人は、去年はそれぞれ充実したシーズンを過ごしたと思いますし、精神的な成長も見せてくれました。特に奈良選手と土居選手にとっては大きな1年になったと思います。
ただ、去年が良かったからこそ、今季はチャレンジの1年になるはずです。良かった年の次の年というのは簡単ではありません。ディフェンドするポイントもたくさんあるし、去年の活躍を「本物」にするためには安定した成績が求められます。対戦相手も研究してくるでしょう。さらに実力をつけて新しいシーズンに臨んでほしいですね。
森田選手は昨年、前半戦で自分のテニスをつかみながら、後半戦は腰の痛みに足を引っ張っられました。今シーズンは、この故障にどれだけうまく対応できるかということになると思います。
実力はすでにトップ50にふさわしいものを持っています。そこで、もしかしたら錦織選手のように、チームに新しい空気を入れてもいいかもしれません。選手というのは1つの勝利が自信になって、ポーンと行くときがあります。その「きっかけ」を引き寄せる意味で、何か変化を持たせるのも1つの手かなと思います。
<了>
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