プレミア・夏の補強の“費用対効果”は?=明暗がはっきり分かれる現地の評価
チームを変えたエジルの加入
夏の補強で最も評価が高いのがアーセナルのエジル(右)。彼の加入がチーム全体を変えた 【Getty Images】
今夏、最も高額な4200万ポンド(約70億円)という移籍金でプレミアへやってきたのが、レアル・マドリーからアーセナルに加わったメスト・エジルだ。そして、ここまでリーグで最も成功を収めているニューフェイスもまた、ここまでリーグ最多の7アシストをマークしているエジルである。高い技術やパスセンスはもちろん、「エジルが来たことで、他の選手たちが自信と野心を持つようになり、より良い選手へと成長している(『インデペンデント』)」というように、彼の加入がアーセナルのチーム全体を変えたという点も高評価の要因だ。クラブOBの元フランス代表MFエマニュエル・プティにいたっては、「彼の移籍金は高額だったが、移籍マーケットで最高のバーゲン品だった」と最大級の賛辞を送っている。
補強に失敗したトッテナム
特にクラブ歴代最高額でローマから獲得し、ベイルの11番を受け継いだエリック・ラメラに対しては「まったくインパクトを残せていない。いいプレーができたのはヨーロッパリーグの1試合だけ」と辛辣(しんらつ)な評価。他メディアでもホームシック疑惑が持ち上がるなど、プレミアにまったくなじめず、先発もままならない状況で批判の矢面に立たされている。2600万ポンド(約44億)でバレンシアから加入し、ここまで4得点のロベルト・ソルダードも決定力不足の“戦犯”に挙げられているが、こちらはアンドレ・ビラス=ボアス監督の戦術の犠牲になっているという見方もある。『デイリーメール』はバレンシア時代に彼が挙げた公式戦82ゴールのうち、エリア内での得点が81ゴールを占めたというデータを用い、チームが彼にチャンスを供給できていないと指摘をしている。