村田諒太がさらなる可能性を見せるか!?=プロ2戦目を前に精神的余裕と自信

長谷川亮

「試合を楽しみにしていただきたい」

ロンドン五輪ボクシング・ミドル級金メダリストの村田諒太(左)はプロ2戦目で初の外国人相手となるデイブ・ピーターソンと対戦する。 【スポーツナビ】

 プロ第2戦を迎えるロンドン五輪ボクシング・ミドル級金メダリストの村田諒太(三迫)が出場する「DIAMOND GLOVE SPECIAL」(6日、東京・両国国技館)の大会直前会見が4日、都内・ホテルで行われた。村田は対戦相手のデイブ・ピーターソン(米国)とともに会見へ出席し、試合の意気込みを語った。

 スーツ姿で無精ヒゲが見られた村田は「(ピーターソンと)ヒゲのスタイルが一緒ですね」と話し、会見中も時おり笑顔を見せるなど力みを感じさせないリラックスした様子。デビュー戦に比べると「落ち着いている」と試合を前にした心境を語り、前回プロの舞台を一度経験したことで精神的余裕が持てているようだった。

 ラスベガスへ渡り試合へ向けて約1カ月の合宿練習を積んできた村田は、「素晴らしい練習と体調が整っています。試合を楽しみにしていただければ」と、公開練習に続いてこの日も仕上がりの良さを強調。試合については「リングに上がって向き合ってみないと分からない」としたものの、仮にそうした想定しない事態が起きたにしても対処しきれるという自信を感じさせた。

「長丁場も考えるけどKOは狙います」

 対するピーターソンは父でトレーナーのロンが「ラウンド毎に強くなる。1、2Rより7、8Rと強くなっていく」と、息子の特性を“後半型”であると評したが、その言葉通りに「いつもと同じで、最初は相手の様子を見る」とゲームプランを披露。村田も会見後の囲み取材で「実はそんなに最初から行こうとは思っていない」と中・長期戦も頭にあることを明かしたが、「当たると思えば打っちゃうし、当たるタイミングが来れば出さない訳にはいかない」と、ピーターソンと向き合っての感触次第ではデビュー戦戦同様(2RTKO勝ち)の短期決着もありうることを匂わせた。

 この一戦をクリアすれば来年2月にマカオで行われる大会への出場が伝えられ、いよいよ世界へ打って出る村田だが、「6日の試合のことだけを考えています。その先のことは6日の結果次第で出てくるものだと思うので、その時に話して考えたい」と、精神的余裕は持ちながらも目前の一戦に集中しており、浮き足立った様子も油断もない。

「8R行くことも考えて、でも8R行かないように攻めます。ノックアウトは狙います」
 東洋太平洋ミドル級王者・柴田明雄を相手にしたデビュー戦では力の差を見せ、底を見せずに終わった村田だが、プロ初の外国人を相手にする第2戦でさらなる可能性を見せるのか。

村田、ピーターソンの記者会見要約

村田 12月6日に向けて、素晴らしい練習で体調は整っています。試合を楽しみにしていただければと思います。1戦目に比べて少しは落ち着いていますし、いい調整もできていると思いますので試合を楽しみにしています。
 ピーターソンの印象はリングに上がってみないと分からないので、リングに上がってどう感じるかだけですね。どこが成長したか? それもリングに上がって見せることだと思うので、実際プロのリングでどう動けるかはやってみないと分からないところがあるんですけど、何より1戦目より精神的にはすごく落ち着いていますし、うまく調整できていると思います。
 試合展開? もちろんノックアウトは狙っていきたいと思いますけど、強い相手だと思いますので、敬意を払った上で挑戦者の気持ちで頑張りたいと思います。
 ピーターソン選手は中々男前の方ですね(笑)。身長が僕より高いと聞いていたんですけど、そこまで変わらないかなという印象で。あとは実際リングに上がってみないと分からないです。見た目じゃなんとも言えないです。

ピーターソン 日本に来てから皆さんに良くしていただいて、いい日々を過ごしています。気持ちもリラックスして、コンディションも万全に整っていますので、6日はいい試合になると思っています。
 とても強いいいファイターという印象を持っています。デビュー戦の映像も見ましたけど、あの試合は少し早くストップがかかったという印象がありました。今回はそういうことがないようにしたいと思いますし、自分も全身全霊で試合に臨みたいと思います。
 プランはいつも同じなんですけど、基本的には最初のラウンドは相手の様子を見るという動きをします。自分はとても適応力のあるファイターだと思っていますので、そこから相手の様子を見てから自分の動きを考えていっています。
 ムラタはグッド・ルッキング・ガイ! 体格も同じぐらいですし、選手としても尊敬しています。スタイル的にもいいマッチアップになると思います。

<次ページにこの日行われた八重樫、ソーサ、井上尚弥らの記者会見要約>

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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