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ナショナルリレーチームで本格強化が始動
日本陸上界初の“出場枠”獲得挑戦へ

原田強化委員長「重要な意味を持つ大会」

リレーのナショナルチームに選出され、フォトセッションに臨む桐生、福島ら38選手
リレーのナショナルチームに選出され、フォトセッションに臨む桐生、福島ら38選手【スポーツナビ】

 2016年リオデジャネイロ五輪を見据えて日本陸上短距離界が動いた。日本陸上競技連盟は2日、14年5月24、25日に初開催される第1回世界リレー選手権大会(バハマ・ナッソー)に向けたリレー種目のナショナルチーム発足を発表し、選抜メンバーらが会見で意気込みを語った。

伊東男子短距離部長は他競技の指導者から意見を聞き、ナショナルチームは合宿主体で強化することを決めたという
伊東男子短距離部長は他競技の指導者から意見を聞き、ナショナルチームは合宿主体で強化することを決めたという【スポーツナビ】

 第1回大会では上位8位以内に入れば15年世界選手権北京大会の出場権が獲得でき、今後の大会では16年リオデジャネイロ五輪の出場権も懸かる見通し。そのため、原田康弘強化委員会委員長は「強化戦略上、重要な意味を持つ大会」と位置付け、体制を整えた。


 今回選出されたのは、400メートルと1600メートルの代表候補で、男子24人、女子14人の計38人。男子は、日本歴代2位の10秒01の記録を持つ桐生祥秀(洛南高)、ロンドン五輪代表の山縣亮太(慶応大)らがメンバーに。女子は、エースの福島千里(北海道ハイテクAC)に加え、土井杏南(埼玉栄高)や杉浦はる香(浜松市立高)といった10代の若手スプリンターも顔をそろえた。


 ナショナルチームとして出場枠獲得を目指すのは、陸上では初の試みとなる。伊東浩司男子短距離部長は、バレーやアイスホッケー、サッカーなどの指導者に助言を聞いた上で、合宿主体の強化策を決めたという。チームは3月までに強化合宿を複数回行う予定。その中で適性を見極め、5月の本番には「ベストメンバーで臨む」(原田強化委員長)構えだ。

男子400に大きな期待 女子はまず出場権獲得を

今シーズン、100メートルでしのぎを削った桐生(右)と山縣もメンバーに選出された
今シーズン、100メートルでしのぎを削った桐生(右)と山縣もメンバーに選出された【スポーツナビ】

 男子は、400メートルリレー、1600メートルリレーともにこの大会の参加標準記録を突破。特に、400メートルリレーは、08年北京五輪で銅メダル、今夏の世界選手権モスクワ大会で6位入賞を果たしている“お家芸”だけに、期待も大きい。伊東部長も「リオデジャネイロ五輪ではメダルに挑戦する輪の中に入りたい」と明確な目標を掲げる。


 選手の中では、バハマに向けた戦いがすでに始まっている。山縣が「チームジャパンの一員であることをしっかり認識して、選んでもらえるようにしっかり走りたい」と決意を語れば、世界選手権モスクワ大会400メートルリレーの第1走を任された桐生も「今年出たからといって来年出られるわけではない。選ばれたら自分の走りをしたい」と表情を引き締めた。


 一方の女子は、短距離全体が低迷しており、世界リレーに向けても参加標準記録を切れていない状態。瀧谷賢司女子短距離部長も「現状では、世界と戦える位置にはいないと感じている。女子の場合は、まずは中国と対抗していける力をつけることが次のステップにつながると思う。ここをクリアしないとリオ五輪を目指せないのではないか」と危機感を募らせる。その思いは選手も同じだ。400メートルリレーのキャプテンに選ばれた福島は「女子はまだ世界リレーに出場できない状況。まずは冬合宿をみんなで頑張って、世界の舞台で戦えるレベルまで引き上げたい」と、チーム全体の底上げを誓った。


 日本陸上界初の挑戦となる“出場枠取り”は、当然、手探りの部分もあるだろう。しかし、新たな取り組みを行うことは、同時に陸上界に新風を起こす可能性も秘めている。結果はもちろんのこと、オールジャパン体制でのリレー種目強化が、日本短距離界にもたらす変化にも注目したい。


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