ブラジルに完敗、石島「すべてが一級品」=グラチャン男子 ブラジル戦後コメント

スポーツナビ

ブラジルにストレートで敗れ、方を落とす選手たち 【坂本清】

 バレーボール男子のワールドグランドチャンピオンズカップ2013(通称:グラチャン)第3日が22日、東京体育館で行われ、日本は世界ランキング1位のブラジルに0−3(17−25、17−25、18−25)で敗れた。3試合を終えて、3敗の日本は勝ち点0で最下位に沈んでいる。

 ここまで無敗のブラジルに対し、序盤から攻めたい日本だが、第1セットはサイドアウトが取れず、ブロックから切り返しの攻撃をブラジルに決められ先行を許す苦しい展開。中盤もミドルのクイックと絡めたバックアタックで得点するブラジルに対し、日本も石島雄介のスパイクや越川優のブロックで応戦するが第1セットは17−25でブラジルが先取した。

 米山裕太と今大会初出場となるリベロの高橋賢を入れた日本だが、第2セットもブラジルが先行。しかし中盤、石島のサーブから米山のレシーブでチャンスをつくり、越川のスパイクなど日本が3連続得点で1点差まで追い上げる。攻めのサーブからリズムに乗り、逆転のチャンスをつかみかける日本だが、なかなか1点が届かない。23−23と同点に追いつくも、最後はブラジルが連続してスパイクを決め、23−25でブラジルが第2セットも連取した。

 後がない日本は、第3セットも劣勢に陥る。ブラジルのパワーに押され、徐々に差が開いていく。最後は越川のスパイクがブロックされ、万事休す。日本はこのセットも奪われ、ストレート負けを喫した。

 以下、試合後の選手コメント。

石島雄介「ブラジルはすべてが一級品」

第2セットは23−25と善戦したものの、石島(左)は「ブラジルはすべてにおいて一級品」と語った 【坂本清】

 試合前に山村(宏太)キャプテンを中心にミーティングをして、1つになろう、と。チーム内でやることを徹底して臨んだ。苦しい時もキャプテンを中心にまとまろうとしたのは良かったところ。相手の高さ、うまさに対応できなかったが、それでも少しでもいいところは出せるようになってきた。自分自身が勝利に貢献できるように次の試合は頑張りたい。ブラジルはすべてにおいて一級品。試合を通して打ち損じや、コンビミスがほとんどなかった。あったとしても、個人で対応できる能力を持っている。すごいチームだと感じた。

越川優「収穫があった」

敗戦にも「今日までで一番収穫があった」と前向きに語った越川(左) 【坂本清】

 結果は0−3で負けたが、今日までの中では一番収穫があった。世界一のブラジルに対して、チームとしてどういう形で戦うか、確認しながら戦うことができた。今日の試合でセットを取ることはできなかったけれど、格上のチームに対して、こういうことをし続ければセットを取れると、改めて確認できた。試合前に選手同士でミーティングをして、全員が勝ちたい気持ちを持っているので、山村キャプテンを中心にチームのために何をしなければならないのか、1人ひとりが冷静にまとまった結果、今日の試合はスタートからいい形で入ることにつながったと思う。ブラジルはさすが世界ランク1位だと感じさせてくれるチームだった。ブラジルを目指すのも1つだけれど、あれだけのレベルのコンビを日本もするためには、まねをしているだけでは勝てない。個人的には、自分たちのアイデアをそこに入れていくことが必要だと思った。

山村宏太「ブラジルは日本が理想とするチーム」

山村は「ブラジルは日本が理想とするチーム」と語り、完敗を認めた 【坂本清】

 ここまでの3戦の中では、日本のミスからの失点は一番少なかったが、さすが世界一のブラジル。少しのミスを逃さず、そこにつけこんでくるチームだった。良かった点、悪かった点、それぞれあったので明日につなげたい。ブラジルはまさに理想とするチームであり、日本が目指すバレーをしているチームだと再確認した。確立されたコンビバレーを展開するチームなので、日本はそれ以上のコンビを、大きな相手に対して針の穴を通すようなコンビをつくらないと勝てない。コンビの面だけでなく、ブラジルはディフェンスもしっかりしたチーム。まさにバレーの見本、とも言うべきチームだった。

 明日のイタリアも間違いなく強豪国の1つ。日本はいかにミスを少なくするか。ただでさえリスクを負わなければ勝てないが、リスクを負ったプレーをしつつ、ミスを減らすことが明日は一番の課題になる。

米山裕太「練習の成果が出せた」

第2セットから出場し、一時は流れを変えた米山。「練習の成果が出せた」と手ごたえを語る 【坂本清】

 サーブレシーブがどの試合も崩れていて、攻撃までつながっていなかったのでまずはサーブレシーブを安定させることを意識した。攻撃時にもブロックのつき方を後ろから見て近藤(茂)さんに『今はライトではなくてレフトが開いていた』など、声をかけるようにしていた。石島(雄介)さんが捕まった場面でも、石島さんに2枚そろっていたが、レフトに上げていたらこちらのほうが人数の多い状況をつくれた。1枚になれば高いブロックが来てもコースに打つ技術はあると思うので、練習でやってきた成果が出せたと思う。明日のイタリア戦に向けて、チームの状態は徐々に良くはなってきていると思うけれど、相手に走られてしまうケースが多いので、まず1セット目を取ること。そうしなければ、20点以降に相手へプレッシャーをかけることもできない。それではいつまでも強くなれないので、まず1セット目から20点目以降の勝負ができるように。そのためにもサーブレシーブを返してサイドアウトを切らないときついと思うので、自分たちからミスをしないようにしたい。

<了>
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