新生・全日本女子が世界の強豪に挑む=グラチャンバレー女子 大会見どころ

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12日に開幕するグラチャンバレーに挑む全日本女子代表14人と眞鍋監督(後列右) 【坂本清】

 バレーボール女子のワールドグランドチャンピオンズカップ2013(通称:グラチャン)が11月12日(火)〜17日(日)に、名古屋・日本ガイシホール(12日、13日)と東京体育館(15日〜17日)で開催される。

 国際バレーボール連盟の公認大会であるグラチャンは、オリンピック、ワールドカップ、世界選手権と並ぶ世界4大大会のひとつ。各大陸王者などが集まり、6カ国によって優勝を争う世界一決定戦となる。
 今回は、開催国の日本(世界ランキング3位※)、アジア代表のタイ(世界ランキング12位)、ヨーロッパ代表のロシア(世界ランキング6位)、北中米代表の米国(世界ランキング2位)、南米代表のブラジル(世界ランキング1位)、推薦国のドミニカ共和国(世界ランキング8位)が出場する。

 今回で第6回大会となるが、未だ2度の優勝を飾ったチームはなく(1993年第1回=キューバ、1997年第2回=ロシア、2001年第3回=中国、2005年第4回=ブラジル、2009年第5回=イタリア)、五輪翌年と言うこともあり、各国にとって新チームでの力試しの大会であるともとらえられるだろう。

※世界ランキングは2013年10月7日付のもの

新戦力の台頭、眞鍋監督の『新戦術』に注目!

今季から主将を務める木村沙織。新チームの精神的支柱となっている 【坂本清】

 昨年のロンドン五輪で28年ぶりとなるメダルを獲得した全日本女子“火の鳥NIPPON”。
 チームを率いる眞鍋政義監督は「2016年の五輪を見据えて5月から新生全日本として再スタートを切った。今年最後のグラチャンがこの1年の集大成となる」と今大会を位置づけており、新生チームとして世界の強豪に挑む。

 今シーズンから主将を任されている木村沙織は、この半年間を振り返り「メンバーが最初ガラッと代わって、私も初めてのキャプテンということで、いろいろ何をしていいのか分からないところから始まった。でも自分たちが高さのあるチームやパワーのあるチームに勝つには、普段からチームワークというのが一番大事だと思っている。それを常に意識づけるようにしてきて、だいぶチームとしてのまとまりが出てきた」とここまでのチーム状態を評する。

 ワールドグランプリ、世界選手権アジア最終予選などを戦い、江畑幸子、新鍋理沙らロンドン五輪を経験した選手だけではなく、長岡望悠ら次世代の選手たちも全日本のメンバーとして力をつけてきた。長岡は「最初の頃は世界の高い壁を経験して、心が折れたというか、自分がやれるかすごい考え込んだ時期もあった。ただ、そういう経験から、バレーのスキルがもっともっと必要で、人間性をもっともっと高めていこうと思うようになった」と代表としての自覚も芽生え、リオへの道を一歩一歩踏み出しているところだ。

 そんな中、今回のグラチャンでは眞鍋監督が2年間温めてきた『新戦術』が披露されることになる。その全貌は大会まで明かされないが「世界と違ったバレーをしていく」(眞鍋監督)ことに挑戦するようだ。
 新戦術について木村は「最初は今まで見たこともやったこともない戦術だったので、びっくりした。すごく新鮮というか、眞鍋監督の発想力はすごいと感じた」と選手自身もその発想に驚いたようだ。「シンプルに相手から点数を取るという考え。いろんな可能性が出てきて、連続失点でローテーションが回らない時に、すぐに形を変えられる」方針となるが、どのような形で相手を驚かすことになるか。

ブラジル、米国、ロシアの実力が抜けている

グラチャンでは世界の強豪を相手に、若手の躍進も期待される 【坂本清】

 その新生全日本と対峙する世界の強豪たちは、前述の5チーム。対戦相手について眞鍋監督は「開幕戦のロシアは、ヨーロッパを勝ち抜いてきたチームですから、間違いなく強力。身長も高いし、エースもすばらしい。2戦目の米国は世界ランク2位の五輪銀メダルチーム。やはり、グループという部分では一番強い。3戦目のタイはアジア選手権(9月/タイ)で完敗しており、身長は小さいけど、チームができ上がっている。4戦目のドミニカ共和国はサーブとブロックが強く要注意のチーム。最終戦のブラジルは世界ランク1位でメンバーもすごい。ブラジル、米国、ロシアは頭ひとつ抜け出している」と評している。

 世界トップの強豪が集まる大会となるが、目標は「世界一を狙う。少なくとも表彰台」と宣言する眞鍋監督。「これを合言葉にグラチャンバレーを必死に頑張ります」と意気込みを語っている。
 2009年のグラチャンでは4位に終わり、後一歩のところで表彰台に届かなかった全日本女子。まずは五輪に続くトップ3入りを目指したいところだ。また、今後の日本を支えるような新戦力の躍進、そして注目の『新戦術』がどれだけ世界に通用するか注目したい。

<了>
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