若き日本チームが43年ぶりのアジア制覇=女子バスケアジア選手権 総括&コメント

小永吉陽子

大神雄子(JX−ENEOS→11月より中国プロリーグ)

抱き合って喜ぶ大神雄子(左)と間宮佑圭 【小永吉陽子】

「これまでの先輩とヘッドコーチの歴史が今日の優勝につながっている」

 この10年、自分が代表に入ってからすっごい負けてきました。優勝して目標を達成できた喜びもありますが、これまでの先輩たちやヘッドコーチがいて今の日本代表につながり、今日の優勝につながっていると思います。そのことを忘れず、この優勝の価値を後輩たちに伝えていこうと思います。

 今大会は日に日にチーム力が良くなっていって、崩れないディフェンスを発揮できたことが優勝の要因です。まだまだ先を目指すチームだと思っているので、この大会の経験を先につなげていきたい。

吉田亜沙美(JX−ENEOS)

「ガードとしてパスの出しがいがある楽しい大会だった」

 韓国に対しては最初から飛ばしていこうと思っていましたし、飛ばしていけたのが効いたと思います。この大会に入って、チームが集中して向かっていく姿勢があり、チームが一つになっていくのが分かりました。

 インサイドに間宮と渡嘉敷がいて、中で構えてくれる選手がいる。パスにあわせてくれるシューターがいる。ジャンプシュートを打てる選手がいる。ベンチで声をかけてくれる選手がいる。ポイントガードとしてはどこにパスを出してもいいので、本当に楽しくやれた大会でした。

宮元美智子(三菱電機)

「ノーマークでシュートを打たせてもらってチームメイトに感謝」

 今回、私は代表に選ばれたのもはじめて。決勝もはじめて。優勝したのもはじめて。バスケットをやってきて良かったと心から思いました。はじめての代表だったので、準決勝や決勝より初戦が緊張しましたが、それを乗り越えたら、一試合一試合重ねるごとにチーム力が上がっていくのが分かって、試合をしていてとても楽しかった。だから決勝はみんなとやれる最後のゲームだったので、40分間を楽しもうと思いました。

 シューターとしてシュートを簡単に打たせてもらえないと思って大会に臨んだのですが、打てたときはノーマークだったので、周りの選手の協力があってこそ。ハーフコートの展開だとシュートがなかなか打てないので、積極的に走る展開を作ったことがいいシュートに結びつきました。

間宮佑圭(JX−ENEOS)

「チームの気持ちを一つに戦い、自分は落ち着いてやることができた」

 勝因はチーム力です。3Qに追いつかれたときもコートとベンチが声を出し合って、気持ちを一つにしてやることができました。

 私自身はケガで合流が遅れ、(10月中旬の)東アジア競技大会の時はチームに合流したばかりで馴染めなかったのですが、その大会で(チャイニーズ・)タイペイに負けたことを課題にしてここまで来ました。

 バンコクに来てからは一試合一試合こなすごとにチームになっていくことで、自分も落ち着いて仕事かできました。今日も韓国が迫ってきたときやファウルが込んだときも冷静にやれたので、それも含めて、心の準備ができて落ち着いてできたと思います。タク(渡嘉敷)と一緒にゴール下で構えられて優勝できたので最高の優勝です。

渡嘉敷来夢(JX−ENEOS)

韓国との試合でゴール下を制し、20ポイントを上げる活躍を見せた渡嘉敷 【小永吉陽子】

「日本代表の責任とプライドを持てた大会。自分はまだまだもっとできる」

 チームみんなの力で優勝できてうれしい。チームのみんなが優勝することしか考えてなくて、スタッフも応援団も一つになれたのが勝因です。決勝では自分たちから先手を取れました。韓国が悪かったというより、自分たちが上だった。

 MVP受賞については、これでアジアデビューができたのかな、アジアでアピールできたのかなと思っています。日本代表の責任とプライドができて、スタートとして試合に出ている分、自分がやらなくてはいけないと思いました。

 自分はまだまだもっとできると思うので、この優勝はスタートラインです。

<了>

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著者プロフィール

スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者となる。日本代表・トップリーグ・高校生・中学生などオールジャンルにわたってバスケットボールの現場を駆け回り、取材、執筆、本作りまでを手掛ける。

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