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若き日本チームが43年ぶりのアジア制覇
女子バスケアジア選手権 総括&コメント
アジア選手権を制し、トロフィーを掲げる大神雄子
アジア選手権を制し、トロフィーを掲げる大神雄子【小永吉陽子】

 10月27日〜11月3日までタイ・バンコクにて開催された女子バスケットボールのアジア選手権。予選ラウンドを5戦全勝で飾り、5大会ぶりとなる決勝に臨んだ日本は宿敵・韓国と対戦し、65−43で快勝。1970年以来、43年ぶり2回目となるアジアチャンピオンに輝いた。


 大会MVPには大会を通してインサイドプレーで猛威を振るった渡嘉敷来夢が選ばれ、大会ベスト5には吉田亜沙美、間宮佑圭、渡嘉敷(すべてJX−ENEOS)の3人が選出された。来年、トルコで開催される世界選手権には、この大会の上位3カ国である日本、韓国、中国が出場する。

“速さと高さ”を生かした新しい戦い方を発揮

 決勝の相手は韓国。予選ラウンドでは相手のしぶとさから終盤に連続3Pシュートで追いつかれ、延長の末に勝利を得た。30代の選手たちが支配する試合巧者ぶりにまさるためには「スタミナで優位に立つことと、リバウンドを支配すること」(内海知秀ヘッドコーチ)。この2点が勝利へのポイントだった。


 出足から3クォーターラインから当たるプレッシャーディフェンスで相手の足を止めた日本は、渡嘉敷と間宮の高さを生かしてインサイドを支配。特にトータル18本を記録した渡嘉敷のリバウンドは相手にとって脅威となり、リバウンドから速い展開に持ち込んだ日本は一気に主導権を握って前半で37−16と大差をつけた。後半は韓国のオールコートプレスに10点差まで詰め寄られるものの、慌てることなく再びインサイドにボールを集めることで振り切り、22点差をつけて快勝した。

厳しい“プレーオフ”も韓国に完全勝利

 アジア選手権の決勝トーナメントは、予選ラウンドでリーグ戦を行ったあとに再び4強が相まみえるシステム。それだけに、予選ラウンドとは違う戦術や、より一層の強度が増した戦いが繰り広げられる、いわば“プレーオフ”の厳しさが待ち受けている。


 しかし今大会の日本は、アジア選手権初参戦者が半数を占める若いチーム。勝てば勝つだけ自信をつけていく成長の真っ只中にいたため、決勝トーナメントでは、日本の持ち味であるスピードやスタミナをさらに加速させる“真っ向勝負”のスタイルで挑んだ。


 韓国は日本の機動力についてこられなかった。準決勝までは総力戦で戦うことができたのだが、決勝では日本のプレッシャーディフェンスの前に、ベテラン勢を長く起用することができず、試合中盤には若手主体で戦う時間もあったほどメンバー構成に苦しんだ。


 相手にがっぷり四つに組んだ駆け引きをさせなかった時点で、日本の完全勝利だった。それだけ、今回の日本の機動力ある攻防がアジアでは際立っていたということだ。

内海HC「試合ごとに選手が成長した」

 今大会は、中国が世代交代の最中にいる脆さがあり、韓国は負傷者を抱えて満身創痍であり、ライバルたちはそれぞれ困難なチーム事情の中で戦っていた。しかし日本もまた、昨年のロンドン五輪最終予選後に半数が入れ替わって結成された若きチームである。


「全勝優勝には驚きもしたが、試合ごとに選手が成長していった結果。選手たちに力があったから勝てたのだと思う」という内海ヘッドコーチのコメントからは、中国や韓国に苦手意識を持っていたこれまでの日本の姿は微塵もなく、ただ試合に勝つ喜びを知ることで、今まで知らなかった未知の世界を切り拓いていくような、そんなたくましささえ感じることができた。


 その快進撃の原動力となったのが、従来の速さだけの戦いから、アジアMVPに輝いた渡嘉敷に象徴される高さある攻防がプラスされたことと、アジア4強勢との5ゲームで56.4点に抑えたアグレッシブなチームディフェンスだ。勝ち続けることで自信を得たこの若きチームは「まだ先を目指すチーム」(大神雄子)であり、「まだまだもっとできる」(渡嘉敷)可能性を存分に見せてくれた43年ぶりのアジア制覇だった。



以下、決勝戦後のスタメン5選手のコメント。

小永吉陽子

スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者となる。日本代表・トップリーグ・高校生・中学生などオールジャンルにわたってバスケットボールの現場を駆け回り、取材、執筆、本作りまでを手掛ける。

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