ラグビー日本代表、「最強」を知る
NZ戦完敗も闘志は衰えず
世界最強オールブラックスを前に、通用する部分も見られ、強化の方向性は間違いではなかったことを証明した日本代表
世界最強オールブラックスを前に、通用する部分も見られ、強化の方向性は間違いではなかったことを証明した日本代表【築田純】

 日本代表は試合終了の笛が鳴るまで勇敢に戦った。それでも6対54、最後は48点差をつけられ、世界最強軍団が淡々と勝利を喜ぶ姿を見せつけられた。

 過去最高レベルまでフィットネスを鍛え、戦術を徹底し、闘争心を持って戦った日本代表には何が足りなかったのだろうか?

スクラムで相手ボールを奪うなど健闘

 2011年のワールドカップ(W杯)で日本はニュージーランド(NZ)に7対83と大敗を喫している。スポーツナビでは、当時代表を外れていた現キャプテンの廣瀬俊朗に解説を頼んでいた。

 その際に廣瀬は「前半に簡単にトライを取られたことで、『やっぱり強いな……』と感じている表情の選手がいました。何点取られても強い気持ちでプレーを続けている選手もいたんですが、このメンタルの部分でのギャップをNZは見逃してくれませんでした」と語っていた。


 NZ戦の3日前、廣瀬は穏やかな表情で当時を振り返りながら、「メンタルの準備をしっかりして戦います。あの時も話しましたが、そこができないと一気にやられるので。今は練習で良い準備ができていることで、メンタルも良い状態で臨めます」と手応えを口にしていた。

 実際に前半にキック処理のミスからトライを奪われるなど、手痛いミスが続いて点差が開いたが、試合の緊張感が薄れることはなかった。


 メンタルの部分は向上を見せ、日本が圧倒的に不利とされてきたフィジカルの部分でも健闘した。スクラムを押し込んで相手ボールを奪うシーンもあり、エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)体制で続けてきた強化の方向性が間違っていないことを証明した。

光ったオールブラックスの「対応力」

状況を見極める力とプレーの選択肢の豊富さが光ったNZ代表
状況を見極める力とプレーの選択肢の豊富さが光ったNZ代表【築田純】

 それでも点差を広げられた理由は「対応力」にある。

 NZは日本のキック処理が不安定と見ると、何度も効果的なキックを使ってトライラインを駆け抜けた。前半はFWやブラインドWTBに捕らせるハイパントで日本のミスを誘い、後半は前がかりになったディフェンスをあざ笑うかのような正確なキックパスでトライを演出した。


 日本の低いスクラムに対しても徐々に対応。PRの三上正貴は「審判にもっと姿勢を上げるようにと言われて、上げた瞬間に圧力をかけてきました。また、相手の3番が途中から組み方を変えてきて、入り込めなくなった。スキルが高いなと思いました」と振り返った。


 ブレークダウン(密集での攻防)でも2人目の寄りを速くすることで日本の攻撃を分断した。No.8のホラニ龍コリニアシは「リアクションの速さが段違い。プレッシャーが違いました」と語り、スコット・ワイズマンテルHC代行は「敗因はブレークダウン。NZの2人目は非常に速く、日本は遅れていた」と、この部分での劣勢が結果につながったことを認めた。


 世界ランク1位を5年間守り続ける最強軍団は、状況を見極める力とプレーの選択肢の豊富さが光った。

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