崖っぷち巨人、マー君攻略は序盤「1点」=楽天初の日本一へ、流れは完全に来た

構成:スポーツナビ

王手をかけた楽天は田中が第6戦先発濃厚、崖っぷち巨人はどう攻略する? 【写真は共同】

 プロ野球・日本シリーズは第5戦まで終え、3勝2敗で東北楽天が球団創設以来初となる日本一に王手をかけた。仙台・Kスタ宮城に舞台を移す11月2日の第6戦は、シーズン無敗の絶対エース・田中将大の先発が濃厚だ。楽天は田中で一気に日本一に駆け上がるか、それとも巨人が無敗のエースに初黒星をつけるか。

 スポーツナビでは、元巨人の橋本清氏、元楽天の山村宏樹氏に、これまでの両チームの戦い、そして第6戦以降への勝利のポイントを、それぞれのチームの立場から特別解説してもらった。

橋本氏「主役の不調がすべて。勢いに差を感じる」

阿部がまさかの大ブレーキ……主役の不調がそのまま勢いの差に 【写真は共同】

 東京ドーム3連戦を見て、あらためて主役が打たないと流れが来ないと思いました。阿部慎之助選手と坂本勇人選手に当たりがないのは痛いですね。これが日本シリーズならではの出来事です。時間かかっても納得のいく1本が出ればいいのですが……。
 阿部選手と坂本選手は肩が開いていてボールを追いかけている形になっており、フルスイングしてもタメがないので、打球に力がないですね。この3試合は仕留められる球も来ていましたので、2人の調子の悪さ、迷いの問題だと思います。

 3敗して崖っぷちになりましたし、開き直るしかないと思います。試行錯誤はしていると思いますが、打席の内外で迷いが見えます。早く吹っ切ることが重要です。考えても仕方ないので。

 この3試合、合計14失点の投手陣ですが、これもチームの柱、阿部選手の不調が影響していると思います。主役の不調がチームの空気、リズムを悪くさせてしまっていますね。

 競った試合が続いていますので、第5戦の西村健太朗投手の則本昂大投手への四球など、ミスをした方が負けます。楽天もミスはありますが、勝負を仕掛けていく中でのミスで積極性を感じます。則本投手を引っ張るにしても、「則本と心中する」という星野仙一監督のメッセージを強く感じました。そこに巨人との勢いの違いを感じます。

攻略は立ち上がり・走者なし「阿部の一振りが流れ変える」

 第6戦は田中投手の先発が予想されますので、巨人にとっては大変厳しいです。巨人の田中投手攻略の糸口は、田中投手の立ち上がりです。序盤3回までのワンチャンスを絶対にものにする集中力が必要です。特に田中投手は走者がいない時、やや力を抜いて投げる傾向があり、第2戦で寺内崇幸選手がホームランを放ったように、必ず甘い球があります。その甘い球を見逃さず、一振りで決めることが重要です。必ずチャンスはあります。

 田中投手がシーズン無敗といっても、2〜3点は取られています。救援陣の層の厚さ、戦力は巨人が圧倒的に上なので、先取点を奪いさえすれば、総力戦を仕掛けて守りきることもできるでしょう。第5戦で西村投手が打たれましたが、シーズン通して期待に応えてきた選手ですので、最後まで信じて使ってもらいたいと思います。
 ですから、序盤の1点。1点でいいので先手を取ることで、田中投手と楽天のリズムを壊す。これが攻略の糸口だと思います。それが阿部選手の一発であれば、なお良いです。阿部選手は一振りで雰囲気を変える力があります。阿部選手の第1打席、第2打席に注目ですね。
 田中投手も人間です。勝てない投手ではありません。非常に厳しいけど、田中投手に勝つチャンスは必ずあります。

※次ページは山村氏による楽天の解説

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