菊田が過激素手ルールで元リングス成瀬に一本勝ち=「GRABAKA LIVE!3」結果詳報

長谷川亮

昨年は大流血KO負けで病院送りに

過激素手ルールで一本勝ちを飾った菊田 【田栗かおる】

 寝技世界一決定戦「アブダビ・コンバット」を制した菊田早苗が率いるグラバカ主催の大会「GRABAKA LIVE!3」が27日、東京・ディファ有明で開催された。

 メーンイベントには第2回までと同様、グラバカの総帥・菊田が登場。かつてリングスの中量級エースとして活躍し、新日本プロレスでもIWGPジュニア王者に輝いた成瀬昌由と、昨年に続きグローブをつけない素手での過激ルールで対戦した。

 昨年、桜木裕司と対戦した菊田は、顔面パンチとヒザ蹴りを浴び大流血のノックアウト負け。しかし菊田は初期UFCでホイス・グレイシーが素手での戦いでも寝技の強さを発揮した姿に感銘を受け格闘技を志した経緯があり、「寝技が一番の武器である」という自身の信念を証明するためにも再出撃を決意した。

必勝パターンの腕十字で一本勝ち

必勝パターンの腕十字で一本勝ち 【田栗かおる】

 試合が始まり最初のタックルこそ切られた菊田だが、左フックを打ち込み再度組みつくと小外刈りでテークダウン。そこから必勝パターンのマウントポジションへ移るが、成瀬はセコンドについたTK高阪剛ばりのシザースでここから脱出する。

 しかし、菊田もすぐにフォローし再びマウントを奪うと、パンチとヒジを打ち下ろして腕十字。脱出の道を探った成瀬だが菊田は逃さず、1R2分25秒、成瀬のタップにより一本勝ちを果たした。

 テークダウンを奪いながら成瀬の下からの打撃で鼻と額を赤くした菊田は、「(素手は)やっぱり効きますね。脳にも効く」とまずは試合の感想をコメント。いつも練習しているメンバーにも返されないマウントを成瀬が返してきたことを「魂を感じた」と称え、「10年離れていた人がこのルールをやることはできない」と、長いブランクをいとわず過激ルールに打って出た成瀬の「根性」に敬意を表した。

石川が「素手による同門対決」をアピール

10年ぶりの総合ルールに挑戦した成瀬を称える菊田 【田栗かおる】

 一方、総合の試合は2003年大晦日のヤン・“ザ・ジャイアント”・ノルキヤ戦以来10年ぶりとなった成瀬だが、「(ブランクは)分かっていたことだし、覚悟の上でのことなので言いっこなし。自分が弱かっただけです」と潔く負けを認める。その上で「(菊田は)昨年素手を経験している分腹が据わっていた」と試合を振り返り、今後については「もう一丁となるのか、落ち着いてみないと分からない。即答できできないので時間をください」と話し、一戦限りの復帰か、あるいはここから本格的に選手活動再開となるのかについては保留した。

 また、これで素手での過激ルールにリベンジを果たした菊田だが、この日のセミファイナルで勝利した石川英司から「もし来年のGRABAKA LIVE!があったら僕と素手で勝負してください」と挑戦を突きつけられており、禁断の「素手による同門対決」が実現となるか注目を集める。

 そのほか、今大会の全試合結果は以下の通り。

■「GRABAKA LIVE!3」
10月27日(日)東京・ディファ有明

<メーンイベント 無差別契約(グローブなし) 5分3R>
○菊田早苗(GRABAKA/第2代パンクラスライトへビー級王者)
(1R2分25秒 腕ひしぎ十字固め)
●成瀬昌由(フリー/リングス中量級王座決定戦トーナメント21優勝)

<セミファイナル 無差別契約 5分2R>
○石川英司(GRABAKA)
(判定3−0)
●KEI山宮(GRABAKA/初代パンクラスライトヘビー級王者)

<第6試合 82.0kg契約 5分2R>
○佐々木有生(GRABAKA)
(判定3−0)
●キム・リュル(韓国/TEAM MAD)

<第5試合 70.3kg契約 5分2R>
○門馬秀貴(ブライトネス門馬道場/ネオブラッドトーナメント2002年優勝)
(1R2分40秒 肩固め)
●西川純矢(GRABAKA/ネオブラッドトーナメント2012年準優勝)

<第4試合 55.0kg契約 5分2R>
○ランバー・ソムデートM16(M16ムエタイスタイル/初代修斗世界フライ級王者)
(判定3−0)
●澤田健壱(パラエストラ東京)

<第3試合 宮戸軍3番勝負! 83.9kg契約 5分2R>
○KAZZ(GRABAKA/ネオブラッドトーナメント2013年優勝)
(判定3−0)
●松井大二郎(フリー/宮戸軍)

<第2試合 宮戸軍3番勝負! 57.0kg契約 5分2R>
○井上学(U.W.F.スネークピットジャパン/宮戸軍/初代パンクラスバンタム級王者)
(判定3−0)
●中山ハルキ(GRABAKA)

<第1試合 宮戸軍3番勝負! 85.0kg契約 5分2R>
○小坂井寛(パワーオブドリーム)
(判定3−0)
●蓮見隆太(U.W.F.スネークピットジャパン/宮戸軍)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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