ラグビー日本代表がNZに勝つ方法=“世界最強”オールブラックスに挑む
ラグビー界の絶対王者と5度目の対戦
2011年W杯で日本はNZに7−83と大敗した 【Getty Images】
日本代表は過去、NZ代表にテストマッチ(国際試合)で4戦全敗。1987年、ホームで0−74、4−106と連敗、2011年のラグビーワールドカップ(W杯)でも7−83と大敗。ただ、やはり思い出すのは1995年W杯の予選プールの「145失点の悪夢」だ。両チームにとって消化試合だったが、縦横無尽にオールブラックスに走られ17−145と大惨敗した。高校時代にこの試合を目の当たりにし、「しばらくラグビーを見たくなくなった」ことをハッキリと覚えている。
2011年、自国開催のW杯で2度目の優勝を成し遂げたNZ代表は、まさしく「世界最強」の名にふさわしい。世界のどのチームにも勝ち越している唯一のチームであり、2009年の11月16日から世界ランキング1位をキープ(日本は現在15位)。昨年、新しい指揮官が就任した後は21勝1敗1分と勝率は90%を超え、今年はオーストラリア代表や南アフリカ代表などと対戦しても一度も負けていない。
SH田中「ラグビーに対する理解力が高い」
NZ代表は個々のスキル、身体能力、そして判断力が優れているため、100m×70mのピッチに30人がプレーしていても、スペースを見つければ、一気にチーム一体となって、そこを攻めてトライを取り切る。特にターンオーバーやカウンターといったアンストラクチャー(崩れた局面)からの攻撃を得意として「(NZ代表はトライ全体の)72%はその形からトライを挙げている」(ジョーンズHC)という。
当然、NZ代表はスクラムやラインアウトといったセットプレーからの攻撃も揺るがない。スクラムでは、No.8がスクラムから持ち出してSHにボールを渡す「8−9」のプレーを使用し、いとも簡単に数的有利をつくってゲインラインを超える。また長身選手がそろうラインアウトでは、サインプレーはもちろんのこと、モールから崩したり、ゴール前ではドライビングモールを押し込んだりと多種多様だ。