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巨人は「阿部の後継」阪神は「大砲候補」
ドラフト補強ポイント分析=セ・リーグ編

 プロ野球、秋のビッグイベント「ドラフト会議2013」が24日に行われる。頂上決戦・日本シリーズを前に、未来のスター候補たちの運命が決まる。今回は、野球専門誌「Baseball Times」が12球団の現状を見極め、スポーツナビが補強ポイントに対する指名推薦選手をまとめた。12球団がどんな青写真を描いてドラフト指名をするのか――運命の瞬間を目前に控え、情報を整理しておこう。以下は、セ・リーグ6球団。

巨人、補強ポイントは「阿部の後継」「先発できる左腕」

松井裕樹(桐光学園高)
松井裕樹(桐光学園高)【写真提供:高校野球ドットコム】

 他球団がうらやむ充実の戦力を備える巨人。近年のドラフト戦略の成功に加えて原辰徳監督の積極的な選手起用で、チーム内は活気にあふれている印象だ。30歳以下の選手がチームの4分の3近くを占めるだけでなく、28歳の長野久義、24歳の坂本勇人を筆頭に主力の年齢は印象以上に若い。特に投手陣は外国人を除くと、今年で33歳の杉内俊哉、久保裕也が最年長で、エース・内海哲也もまだ31歳。山口鉄也、西村健太朗もこれからが働き盛りであり、成長が見込まれる20代半ばまでの選手には澤村拓一、菅野智之、宮國椋丞と楽しみな面々がそろう。内外野に分厚い選手層を誇る野手陣でも、今季は中井大介、橋本到らの若手が1軍で一定の結果を残した。数年先を見据えても他球団に比べ不安は少ない。


 補強ポイントの一つは、大黒柱・阿部慎之助の後継者探しだ。競争力を付けるためにも、将来性豊かな次代の正捕手候補はぜひとも手に入れたい。

 また、投手陣では先発ができる左投手がほしいところ。2年前のドラフト1位・松本竜也は手術を受け、急成長中の今村信貴は期待だが、右投手に比べれば枚数が少ないのが現状だ。


●スポーツナビ推薦選手


・松井裕樹(桐光学園高) 昨夏の甲子園以降、熱視線を送っていた。今年に入り、一時に比べればトーンダウンしたものの、原沢敦・球団代表兼GMが視察に訪れるなど、1位候補から落ちることはなかった。「甲子園のドクターK」の魅力は十分だ。


・小林誠司(日本生命) 社会人ナンバーワン捕手。二塁送球1.8秒台と強肩で、原沢GMが高評価しており、指名の可能性は高い。また、イケメン捕手としても有名。

阪神の補強ポイントは「先発」「大砲候補」

森友哉(大阪桐蔭高)
森友哉(大阪桐蔭高)【写真は共同】

 今季は2位に浮上したものの、まだまだ戦力充実とは言い難い阪神。昨オフの西岡剛、福留孝介らの補強とゴールデンルーキー・藤浪晋太郎の加入は久々の明るい話題となったが、今季も同レベルのインパクトがほしいところ。

 現チームを支えているのは、今季08年以来となるリーグ防御率トップを誇った投手陣で間違いない。だが、特に先発陣はメッセンジャー、スタンリッジの両外国人の活躍に頼る部分が大きく、エース・能見篤史もすでに34歳。藤浪の活躍は明るい材料だが、その内情は決して楽観視できるものではない。リリーフもしかりだ。

 野手陣に目を移すと、鳥谷敬に移籍の話が浮上するなど、今後は大和、俊介らのさらなる成長に加え、伊藤隼太らの若手の突き上げが必要不可欠である。世代交代を成功させるためには、“投”の藤浪の対となる、“打”の生え抜きスター誕生が望まれる。


 以上により、チームの補強ポイントは、先発投手、大砲候補、あとは将来の正捕手といった辺りだろう。昨年のドラフトでは、4球団競合の末に見事に藤浪を引き当て、数年来のくじ運の悪さを払拭させることができた。そして、その藤浪が1年目から結果を出した。大物新人を2年連続で獲得できれば、虎の未来はより一層、明るくなる。


●スポーツナビ推薦選手


・大瀬良大地(九州共立大) 大学ナンバーワン右腕。即戦力として、来季の開幕から先発ローテーション入りが期待できる。競合必至だが、2年連続で将来のエース候補の獲得を目指す。


・森友哉(大阪桐蔭高) 何といっても藤浪とバッテリーを組んでいた実績は魅力。黄金バッテリー再結成となれば、集客にも影響が出そうだ。また、高校通算41本塁打の打撃力は将来のクリーンアップ候補に十分なりえる。

広島は「即戦力投手」投手中心の指名か

大瀬良大地(九州共立大)
大瀬良大地(九州共立大)【島尻譲】

 近年の地道なドラフト戦略が、確かな成果として現れている広島。明るい未来を予感させるが、優勝争いに加わるにはまだ力不足なところも感じさせた。さらなる戦力強化が必要になる。

 現チームの年齢的なバランスは良い。特に投手陣は若く、25歳のエース・前田健太から、24歳の野村祐輔、22歳の今村猛と続き、大竹寛でさえまだ30歳。ここに計算できる投手があと1枚、2枚加われば、投手王国再建となるはずだ。

 野手陣も“プリンス”堂林翔太を筆頭に、菊池涼介、丸佳浩が20代前半。20代後半には、松山竜平、天谷宗一郎、岩本貴裕といった面々がそろう。まだまだ打線の迫力不足感は否めないが、広島“らしさ”は垣間見えてきた。


 昨年のドラフトでは、1位指名で2度の重複の末に外れくじを2度も引いた。結果、育成も含めた全7選手のうち、投手は育成1位の辻空のみ。攻撃力アップは目下の課題ではあるが、今年のドラフトは前年のリベンジの意味合いも込めて投手中心の指名となりそうだ。指名は即戦力の先発投手の1位指名が確実視されている。2位以下では将来性のある高校生投手に加えて、即戦力の中継ぎ投手も指名したいところ。特に左の中継ぎは質、量ともに不足しているだけに、実戦派サウスポーを迎え入れたい。


●スポーツナビ推薦選手


・大瀬良大地(九州共立大) 即戦力投手として早くから注目。最速153キロを記録する大学球界のエースは、実力・将来性とも高く投手陣の軸として大きな期待が持てる。


・田口麗斗(広島新庄高) 高校日本代表で今夏行われた18Uワールドカップで先発・中継ぎで活躍。地元・広島出身であることもプラス材料で、広島大会決勝で再試合を含めた23イニングを一人で投げ抜くなど、スタミナも豊富だ。

ベースボール・タイムズ
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