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波乱なし、箱根路決めた「戦略と準備」
元東海大エース・佐藤悠基が予選会を解説
佐藤選手は東海大で82〜85回大会の箱根駅伝に出場。予選会を振り返ると同時に、自身の経験を踏まえ、本戦のポイントについても語った。
佐藤選手は東海大で82〜85回大会の箱根駅伝に出場。予選会を振り返ると同時に、自身の経験を踏まえ、本戦のポイントについても語った。【写真:アフロスポーツ】

 第90回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝/2014年1月2日、3日)の予選会が19日、東京・国営昭和記念公園を中心に行われ、東京農業大が10時間4分35秒のトップで本戦出場を決めた。2位は山梨学院大、3位には東海大が入った。

 7位・専修大は3年ぶりの箱根路復活。さらに、古豪・中央大も85回連続の出場を決めるなど、全13校が本戦への切符を手にした。


 スポーツナビでは、東海大のエースとして箱根駅伝(82〜85回大会)で3度の区間賞を獲得し、現在は日清食品グループで活躍する佐藤悠基選手に、レースのポイントや本戦の展望などを語ってもらった。

レース結果は「順当にいった印象」

――レースをご覧になっての率直な感想は?


 力のある大学が順当に予選を通過したのではないかと思います。気温も比較的高くなくて、選手にとっては走りやすい気候だったかな、と。各大学とも作戦を立てていたと思います。多少は作戦通りにいかなかったところもあるかもしれませんが、その中でも順当にいったのかなという印象はあります。


――レースでは、スタート直後に飛び出した留学生4人に、日本人ではただ一人、城西大・村山紘太選手が付いていきました。他の有力選手が付いていかなかった理由は?


 各大学の前の方を走っていた選手は、確実に上位で走ろうという気持ちがあったと思うので、(力のある留学生に付いていくという)大きな賭けには出ませんでした。相当な自信がない限り、留学生には付いていかないのではないかなと思います。1秒を争う戦いだったと思うので、確実にいって、最後に1秒でも多く稼ぐと考えて走ったのではないでしょうか。


――序盤はそんなに速いペースにはなりませんでした。


 外国人選手の中でも多少、様子見というか、他の大学の外国人選手がどう出るかというのも探り探りの前半だったのではないかな、と。前半はタイムが上がらなかったので、後半は「行ける」となって、10キロから15キロでかなりペースが上がりました。そこで勝負に出たのかなという感じがします。

3位の東海大・両角監督「スタートラインに立てた」

――今回、東京農業大がトップで予選会通過を果たしました。


 予選会というのは10人の合計タイムで争うものなので、先頭の方でタイムを稼ぐ選手も必要ですが、ある程度、高いレベルでまとまってゴールに入るというのが予選会の戦い方だと思います。そういった点で、東京農業大は10人が全体的に高いレベルで安定して走れていました。


――安定した走りができた要因は?


 他の大学もそうですが、予選会にしっかり調子を合わせてきていると思いますし、天候に恵まれて、選手も予定通りに走れたのではないでしょうか。暑さもなくて脱水症状を起こす危険もないですし、アクシデントは少なかったのではないかと思います。


――佐藤選手の母校・東海大も3位に入って2大会ぶりの本戦出場を決めました。


 東海大も、戦略的には、主力選手の何人かを自分のペースで上位集団で走らせて、中盤の選手は集団で走らせていましたね。特に2年生の白吉凌選手は、上位で自分のペースで走っていたのではないでしょうか。調子の上がり切らない選手や足に不安を抱えた選手もいたようなので、そういった選手は集団の中で安全運転といった形を取っていたのではないかと思います。


――コンディションに不安のある選手がいる中でも3位に食い込むことができた要因は?


 去年のこの大会で本戦出場権を逃しているので、去年走った選手は、その反省をもとに、いかに10人全員が走り切るかに力を入れていたと思います。去年は早川翼(現トヨタ自動車)というエース級の選手がいて走れていましたが、他の選手、特に7、8、9番手の選手があまり走れずに予選を通過できませんでした。なので、10人がしっかり走るという戦略を持って、この1年間準備してきたのではないかと思います。


――佐久長聖高(長野)時代の恩師でもある東海大・両角速監督とはお話されましたか?


 あくまでも予選会ですので、「ようやくスタートラインに立てた」というような話でした。予選会に向けて両角先生の戦略があったので、それに向けてしっかりとしたトレーニングをしたようです。夏以降、選手の調子が上がってきているのが分かっていたみたいで、手応えがあったといった話もしていました。

構成:スポーツナビ