箱根駅伝、予選会後も続く厳しい道のり=シード権獲得への調整が課題に
予選会をトップ通過し、ダイコンを手に踊る東京農業大の選手ら。他校が集団走を行うなか、単独走で勝負した 【写真は共同】
スタート1時間前に雨が降ったがそれもすぐに上がり、気温14.2度という絶好のコンディション。序盤こそスローな展開だったが、5キロを過ぎてから留学生4人を中心にペースアップし、先頭集団が形成された。日本人では村山紘太(城西大3年)がただ一人、その集団に加わる。村山は中盤以降に脱落したが、日本人トップとなる4位でフィニッシュ。ダニエル・ムイバ・キトニー(日本大2年)との争いを制したエノック・オムワンバ(山梨学院大2年)が57分57秒で個人1位となった。
東京農業大、“単独走”でつかんだ箱根切符
この日、多くの大学がペースを管理しながらの集団走を行った中、東京農業大はすべての選手が単独で走った。駅伝になれば「ひとりで走れる力」で結果が大きく変わる。それを20キロの実戦で実行し、結果につなげたことは本戦に向けた収穫だ。結果だけでなく内容でも最高の手応えをつかんだ。
山梨学院大は個人トップのオムワンバ、同5位の井上大仁(3年)の2枚看板が貯金を作ったが、東京農業大に58秒及ばず2位。9番目、10番目の選手が100位台に乗ったことが響いた。「何が悪いということはないが、小さいミスが重なった結果」と上田誠仁監督。想定よりも1分遅かったと言うがほぼ思い通りのレース。トップは譲ったが安定した強さを見せた。
3位の東海大は東京農業大に近い形。総合力での上位進出だ。チーム1位の白吉凌(2年)からチーム10位の土屋貴幸(1年)まで1分2秒の間に10人の選手が相次いでフィニッシュ。今季は走行距離を増やし、30キロ走もかなりの頻度で行っていたと両角速監督。本戦へ向け、さらにチーム力を底上げする方針だ。
東海大同様、国士舘大、拓殖大も2年ぶり、そして専修大は3年ぶりの本戦出場。また前回途中棄権した城西大は10位、中央大は12位とこちらも本戦への切符を手にした。