PP獲得のウェバー「一生忘れない走り」=決勝は「2番手ドライバーの逆襲」に注目
フロントローを独占したレッドブルのウェバー(右)とベッテル 【Getty Images】
連続PP途切れるもベッテルは「心配はしてない」
一方、午前中のフリー走行からKERS(運動エネルギー回生システム)のトラブルに見舞われ、5戦連続のポールポジション獲得をチームメイトに阻まれたベッテルも「確かにトラブルはあったが、僕はそれを言い訳にしたくはない、Q3の最初のタイムアタックでは攻めすぎてミスをしたので、2度目のアタックでは少し慎重にドライブしたけれど、マーク(ウェバー)のラップが素晴らしすぎて、結果的にポールポジションには届かなかった。ただ、マシンは本当にいい感じに仕上がっているし、その性能を限界まで絞り出すような走りができたので本当に気持ちよかった。こんな感覚を味わえるのはめったにない事なんだ。マシンのトラブルは明日までにチームが解決してくれると信じているし、僕自身はそれほど心配していない」と手応え十分な様子。
マシンの性能とドライビングの両面ですべてを出し切ったという点では、予選3位に着けたメルセデスのハミルトンも同様のようで、「現実的に考えて、レッドブルの2台を上回るのは難しいと思っていたので、この結果には満足している。チームは素晴らしい仕事をしてくれて、マシンのフィーリングも最高だった。明日のレースではタイヤの摩耗が重要なポイントになりそうだけど、レッドブルのふたりが楽々とリードを広げないように、ベストを尽くすしかないね」と笑顔で語る。
アロンソの目標はメルセデスの逆転阻止
「最高の気分だね、今日はトップ10に入れると期待していたけれど、予選7位という結果はうれしい驚きだった。明日のレースでもしっかりとポイント獲得を狙いたいね」と予選後に喜びを語るヒュルケンベルグだが、先週の韓国GPでもアロンソ、ハミルトンらの大物ドライバーを相手に堂々たる戦いを見せているだけに、明日の決勝レースでもその活躍が注目されるところだ。
一方、ポイント計算上は唯一、逆転チャンピオンの可能性が残されているアロンソは、予選8位という厳しい結果にも淡々とした様子で、「今週はずっとマシンが安定しないし、この結果はある程度予想の範囲内だと思う。唯一の希望はフェラーリのマシンが決勝レースでのタイヤの摩耗に関して、比較的いい状況だという事ぐらいかな」とコメント。
仮に日曜日の決勝レースでベッテルが優勝し、アロンソが9位以下なら、ベッテルの4年連続チャンピオンが確定することになるが「ベッテルとのチャンピオン争いは特に意識していない。現実的に考えて、フェラーリの目標はドライバーズ選手権とコンストラクター選手権でそれぞれ2位を確実にすること。そのためにもメルセデスの逆転を阻止しなければ」と冷静だ。
アロンソに続く予選9番手には、ロータスのキミ・ライコネン、その後ろにマクラーレンのジェンソン・バトンと続き、ここまでが予選トップ10圏内。ポールポジションを獲得したレッドブルのウェバーをはじめとして、4位のグロジャン(ロータス)、5位マッサ(フェラーリ)と、今回の予選では、いわゆる「セカンドドライバー」が同じチームの「エースドライバー」を上回る健闘を見せている。
「明日のレースでは、アロンソの事なんて気にしないよ。それはきっとウェバーやグロジャンも同じはず、ともかく、自分のレースに集中するだけ。チームメイトを助けるなんて考えないさ」とフェラーリのマッサ。「ナンバー2ドライバーの逆襲」が、明日のレース展開にどんな影響を及ぼすのか? 決勝レースのスタートは日曜日午後3時、25回目の鈴鹿サーキットに新たなドラマが刻まれる!
<了>
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