青木宣親はMLB有数の“過小評価選手”
「来年に向けて手応えを感じられました」
メジャー初年度から2年続けて上質な数字を残した青木はMLB有数の“過小評価選手”だ 【写真は共同】
2年目の今季は打率.286、出塁率.356、8本塁打、20盗塁。特に最後の10試合では41打数16安打、打率.390と打ちまくり、9月29日にニューヨークでのメッツ戦でシーズンを終えた際の表情も晴れやかだった。
「残り10試合のときに自分の中で良い感覚があった。来年に向けて手応えを感じられました。何も感じないまま、苦しいまま終わるより、そういう風に何か見つけて終わった方が、オフシーズンも過ごし方が変わって来ますからね」
青木のような1番打者はメジャーでもそう多くない
入団当初は第4の外野手という立場だったが、フィールド上で実力を示すことでレギュラーの座を確保。標準以上の出塁率と相手をかき回せるだけの走力を兼ね備えた1番打者は、メジャーでもそれほど多いわけではない。
そのスキルと研究熱心な姿勢を考えれば、打率3割をまだ突破できていないのが不思議なくらい。本人もこの2年間で、アメリカでも通用するという手応えを少なからず感じたのではないか。
「去年の開幕と今年の開幕では(自分の立場は)別ものでしたが、結果を残さなければいけないということに関してはまったく変わらなかった。去年以上にやってやるという気持ちも芽生えていましたしね。余裕と言えるものはなかったです。ただ、(今季は)初めからレギュラーで使ってもらえるというのは大きかった。去年はまずは控えからだったですからね」
“1年前と比べると精神的な余裕も感じられますね”と水を向けると、謙虚な姿勢を崩さないながら、そんな答えが返って来た。
実際に数試合も観れば、175cmの小さな身体の外野手が走攻守すべての面で確かな技術を備えていることは明白。ブリュワーズのオーナーが青木のオプション行使をすでに明言したのも当然であり、来季の契約150万ドルも実績、実力を考えれば極めて安価である。気さくな人柄の打撃職人は、今やメジャーでも有数の“過小評価されている選手”と言って良いのではないか。